ハイビームは12月15日、中国の新興ゲーミングPCメーカー「AYANEO(アヤネオ)」製のポータブルハンドヘルドゲーミングPC「AYANEO 2」「AYANEO GEEK」の予約販売を開始した。AYANEO 2は2023年1月31日、AYANEO GEEKは2023年2月中旬の発売を予定しており、同社の直販サイトや店頭での税込み販売価格はAYANEO 2は21万3000円から、AYANEO GEEKが15万3300円からとなる。
AYANEO 2は、AYANEOが2022年1月に発表した「AYANEO NEXT」の後継モデルという位置付けで、AMD製の最新APU(GPU統合型CPU)である「Ryzen 7 6800U」(2.7GHz〜4.7GHz/8コア16スレッド)を搭載している。同APUに内包されるGPUは「Radeon 680M」(12コア)で、リアルタイムレイトレーシング(RT)処理にも対応する。
ディスプレイはタッチ操作対応の7型IPS液晶で、最大解像度は1920×1200ピクセル(アスペクト比16:10、323ppi)、最大輝度は400ニトとなる。メインメモリはLPDDR5-6400規格で、容量は16GBと32GBの2種類から選べる。ストレージはPCI Express 4.0接続のSSDで、容量は16GBメモリモデルが1TB、32GBメモリモデルが2TBだ。OSは「Windows 11 Home」をプリインストールしている。
外観上の特徴は、マシン表面をガラスで覆ったことにある。これにより、画面とコントローラー部の“一体感”が向上している。また、本体のネジ穴が見えない設計も、外観上の特徴だ。
ポート類は本体上部にUSB Type-C端子×2を、本体下部にUSB Type-C端子、microSDスロットと3.5mmイヤフォン/マイクコンボ端子を備えている。USB Type-C端子は2基がUSB4、1基がUSB 3.2 Gen 2に準拠するもので、いずれもUSB PD(Power Delivery)による電源入力とDisplayPort Alternate Modeによる映像出力に対応する。
ワイヤレス通信はWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)とBluetooth 5.2を利用できる。
コントローラー部には、Nintendo Switchの「Joy-Con」と同様に「HDリニアモーター」を搭載しており、従来モデルと比べて振動体験のレベルが向上したという。イメージとしては「優しい触感になった」そうである。なお、AYANEO 2には音源(音楽)に合わせて振動効果を生成できる「Sound TAP Magic」という機能も装備されている。これを使えば、振動高価に対応しないゲームやコンテンツの再生時も、疑似的ではあるが振動効果を追加できる。
ジョイスティックはデッドゾーンを極力排した作りになっており、ジョイスティック自体の感度調整の他、トリガーの感度やモーターの振動調整も可能だ。。
この他、AYANEO 2ではコントローラー部に加えてマザーボード自体にも「ジャイロセンサー」を装備している。2基のジャイロセンサーを備えることで、特にFPS(一人称視点のシューティング)ゲームでは照準を素早く合わせられるようになるという。
加えて、AYANEO 2には立体音響スピーカーも搭載している。マザーボードを小型化したことによって実現した装備とのことだ。マイクを本体の上下に配置したこともこだわりポイントで、これによりマイク音声の「ノイズキャンセリング」にも対応している。
AYANEO 2では、ユーティリティーアプリ「AYA Space」でCPUのTDP(熱設計電力)を変更できる。このこと自体は従来のAYANEOシリーズでも同様なのだが、AYANEO 2ではCPUの定格を超える「PROモード(オーバークロック)」も設定できるようになっている。具体的には、Ryzen 7 6800Uの本来の最大TDPは28Wだが、AYANEO 2では33W(プラス5W)に設定することが可能だ。
これにより、ゲームタイトルによってはパフォーマンスのさらなる向上を期待できる。ただし、発熱もその分だけ増加するため「長時間に渡る(オーバークロック)プレイは避けて欲しい」と呼びかけている。
ちなみに、AYANEO 2では本体の排熱設計も見直している。高圧ターボ方式の冷却ファンに加え、銅管冷却モジュールを用いるなどして、従来モデルよりも排熱効率を高めている。
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