リコーと東芝テックは5月19日、コピー機、スキャナやプリンタの機能を統合した「複合機」の開発/生産を合弁事業化することで合意した。複合機を含むオフィスプリンティング分野における競争力と事業基盤の強化を狙ったもので、2024年度第1四半期(2024年4〜6月)をめどに、両社における複合機の開発/生産事業を合弁会社に継承する。
リコーと東芝テックが複合機の開発/生産を合弁化する背景には、オフィスプリンティング市場が長期的な縮小傾向にあることが挙げられる。
ペーパーレス化が進む中で、両社のプリンティング関連技術を生かしつつ、さまざまなソフトウェアやサービスを組み合わせつつ、オフィスや現場におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援していくという。
両社が合弁会社に移管する開発/生産関連事業は、以下の通りとなる。製造した製品の販売については、両社が引き続き担う。
合弁化は新設会社に両社の事業を継承する「新設分割」ではなく、リコーの完全子会社であるリコーテクノロジーズに両社の対象事業を受け継がせる「吸収分割」で行われる。リコーテクノロジーズは、東芝テックが保有する以下の完全子会社の株式も受け継ぐ(※1)。
吸収分割手続きと株式の継承が完了した後、東芝テックはリコーテクノロジーズの株式の15%を取得し、持分法適用会社とする。その際にリコーテクノロジーズは社名(商号)を変更する予定だが、現時点において新社名は決まっていない。
(※1)現時点の合弁契約では、東芝テックのフランス子会社「Toshiba Tec Europe Imaging Systems」は譲渡対象に含まれていない。ただし、Toshiba Tec Europe Imaging Systemsの労使協議会での議論の結果、譲渡対象に追加される可能性がある
(※2)複合機に関連しない開発/生産事業を別会社に継承した上で譲渡する
(※3)複合機の開発/製造“以外”の事業を別会社に継承した上で、株式の他社持ち分を全て買い取った後に譲渡する
(※4)Toshiba America Business Solutionsから、譲渡対象となる事業(複合機用消耗品の生産事業など)を継承するために設立する(5月19日時点では登記が完了しておらず、社名も未定)
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