ROG Allyは、「ME TIME, WE TIME, PRO TIME」というコンセプトを打ち出している。端的にいうと、ポータブルゲーム機、据え置きゲーム機、そしてハイエンドなゲーミングPCの用途を全て“1台で”カバーできるということだ。
この考え方を下支えしているのが、本体の拡張性である。拡張ポート類は全て本体上部に配置されており、3.5mmイヤフォン/マイクコンボ端子、microSDカードスロット(UHS-II対応)、USB 3.2 Gen 2 Type-C端子と外部拡張ボックス「ROG XG Mobile」(別売)の接続用端子を備えている。
USB 3.2 Gen 2 Type-C端子はUSB PD(Power Delivery)規格の電源入力(最大65W)とDisplayPort Alternate Mode規格の映像出力を兼ねている。USBポートはこれ1つだけなので、充電(給電)と映像出力を同時に行う場合はUSB Type-C接続のマルチハブ、あるいはROG XG Mobileを用意しなくてはならない。
マルチハブについては、純正オプションとしてACアダプター兼用の「ROG Gaming Charger Dock」も用意されている。このハブにはUSB 2.0 Type-C端子(電源出力/映像入力兼用)、USB 2.0 Standard-A端子(電源出力兼用)とHDMI出力端子が搭載されており、電源を確保しつ映像出力やUSBキーボード/マウスなどをつなげるようになっている。
本体上部には、ボリュームボタンと指紋センサー付きの電源ボタンを備えている。指紋センサーを使えば、Windowsへのログインも簡単に行える。
PRO TIME、つまりハイエンドゲーミングを楽しむ場合は、別売のROG XG Mobileを接続する必要がある。
ROG XG Mobile自体は既存の「ROG Flow X13/Z13シリーズ」との共通オプションで、GPUはPCI Express 3.0 x8接続となる。現在の最上位モデルは「GeForce RTX 4090 Laptop」を搭載するボックス(GC33Y)で、税込み実売価格40万円弱だ。他に「Radeon RX 6850M XT」を搭載するボックス(GC32L:税込み実売価格12万円程度)なども用意されているので、求められるスペックに合わせて選ぶといいだろう。
今回レビューしている上位モデルが搭載するAPU(GPU一体型CPU)「Ryzen Z1 Extreme」は、8コア16スレッドのZen 4アーキテクチャCPU(3.3GHz〜5.1GHz)に12コアのRDNA 3アーキテクチャGPUを組み合わせている。GPUのピーク演算能力は8.6TFLOPSと、GPU一体型CPUとしてはかなりパワフルだ(※1)。
(※1)下位モデルの「Ryzen Z1」のGPUコア(4基)では2.8TFLOPS
パワフルなだけに排熱が間に合うのか気になる所だが、ROG AllyではROG Flowシリーズで培った冷却機構を活用している。デュアルファンが背面からしっかりと吸気し、本体天面に向かって排気する形態だ。
デュアルファンということで音も気になる所だが、パフォーマンスと静音のバランスを取った「パフォーマンスモード」「サイレントモード」では最大20dB、一番高速な「Turboモード」でも最大30dB(いずれも公称値)なので、そこまで気にすることもなさそうである。
ROG Allyは、ROG Flowシリーズ(とそのルーツである「ROG Mothership」)で培ってきた放熱技術を生かしている。この図を見ると分かるが、実は背面のROGロゴも吸気口として機能している
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