Appleは6月6日、WWDC23においてM2ファミリーの最後のチップとして「M2 Ultra」を発表、新型Mac StudioとMac Proで採用される。同時に、MacのApple Siliconへの移行完了を宣言した。
新たに加わったM2 Ultraは、同社がモンスター級のチップであり、「パーソナルコンピュータ用に作られた史上最もパワフルなチップ」というだけに、これまで登場したApple Siliconと比較して、ユニファイドメモリの容量、そしてCPUやGPUのコア数も桁違いになる。
具体的には、UltraFusionアーキテクチャで2つのM2 Maxのダイを接続することで、M1 Ultraよりも200億個多い1340億個のトランジスタで構成される。ユニファイドメモリアーキテクチャは、M1 Ultraと比べて1.5倍の最大192GBという容量に対応し、メモリの帯域幅は毎秒800GBとM2 Maxの2倍になる。
24コアのCPUは16の次世代高性能コアと8つの次世代高効率コアで構成され、M1 UltraよりCPU性能は20%、76コア(または60コア)のGPUは同じく30%高速なGPU性能、そして32コアのNeural Engineは毎秒31兆6千億回の演算を実現し、M1 Ultraより40%高速であるという。
ユニファイドメモリも192GBに対応し、これまでは対応できなかったTransformerモデルのような膨大な機械学習のワークロードを、1つのシステムでトレーニングできるとする。
M2 Maxの2倍の性能を備えたメディアエンジンを活用することで、最大22本の8K ProResビデオストリームを再生できるとし、「世界中の他のどのコンピュータも寄せ付けない」とした。
IntelベースのMac Proは、別途拡張カードのAfterburnerを使って8K ProResビデオストリーム3本を再生していたが、Mac Proの新モデルではAfterburner7枚分のパフォーマンスを1つのSoCで実現しているとアピールしている。
さらに接続性も改善され、最大6台のPro Display XDRに対応したり、新型Mac ProではPCI Express Gen 4の拡張スロットが6基に増えたりするなど、プロが求める環境も十分にサポートできるようになった。
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