ここからは、ベンチマークテストで本機の性能を見ていこう。
評価機のスペックは、CPUがCore i7-1255U(Pコア2基4スレッド/Eコア8基8スレッド)、メモリが8GB、グラフィックス機能がCPU内蔵のIntel UHD Graphics、ストレージが512GB SSD、OSがWindows 11 Pro(バージョン22H2)という内容だ。
なお、ユーティリティーの「Control Center 3.0」で動作モードを選べるが、ここでは標準のバランスモードで行った。
前モデルのMousePro-NB430Zから、CPUのパフォーマンスをフル活用するよりも、バッテリー駆動時間を重視するシリーズであり、CPU本来が備えるPBP(プロセッサ・ベース・パワー)やMTP(最大ターボパワー)よりも控えめな設定になっている。本機も同様で、システムの総合性能を見るPCMark 10 Extendedのスコアは控えめだ。とはいえ、ビジネスアプリでの利用についてパフォーマンスが問題になることはない値ではある。
その分、最大輝度にした状態のPCMark 10/Modern Office Battery Lifeでは13時間35分とバッテリーの駆動時間は長めで、静音モードにすればほぼ動作音がしなくなるなど本機のメリットは大きい。画面輝度を下げれば、16〜18時間程度は動作するはずだ。
ただ、ネックになるのは8GBでシングルチャネル動作のメモリだ。普段使いでは特にストレスを感じない状態ではあるが、やはりビデオ会議をしながら他の作業をこなしたり、複数のアプリを同時に使ったりする際は物足りない。
そこで、試しにメモリを増設してベンチスコアがどの程度変わるのかを見ていこう。
本機は底面のカバーを開けることで、1基の空きメモリスロットにアクセスできる。今回は空きメモリスロットに8GB(DDR4-3200)のメモリを増設して16GBに倍増してみた。
ただし、購入後のユーザーによるパーツの交換作業はメーカーの保証対象外の行為となり、デスクトップPCと異なりノートPCは煩雑な作業が伴う。腕に自信がない場合は、素直にBTOで購入時に増設しておいた方が無難だ。
単純にメモリの空き容量が増えることで、ビデオ会議などの作業で引っかかる動作も減り、Webブラウザで数多くのタブを表示させても動作スピードが落ちなくなった。
また、デュアルチャネル動作になったことでCPU内蔵GPUがIntel Iris Xe Graphicsとなって本来備える性能を引き出すことができ、GPU関連のベンチマークテストでも顕著な伸びを記録した。
テスト結果を見ると、購入時にはデュアルチャネル動作を目指してメモリを増設した方がベターだ。BTOでは8GBの増設(計16GB)が+9900円、16GBの増設(計24GB)が1万6500円、32GBの増設(計40GB)が3万800円となっている。
Amazonなどでは8GBのSO-DIMMメモリは1枚3000円程度で入手できるなど手頃なので、パーツの交換作業に慣れている人なら、メーカー保証対象外となるのを覚悟の上で挑戦するのもアリだろう。
最後に、本機の見どころをまとめた。
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