一昔前は10万円でゲーミングPCを一式用意できるという時期もあった。しかし、グラフィックスカード価格の急騰や円安に伴うパーツ単価のアップなどがあり、今ではそのラインが16〜18万円前後に上がっている。
とはいっても、やはり10万円というラインは大きなポイントであり、それ以上の金額がたまるまで(あるいは価格レンジが下がるまで)待っていてもなかなか時期が読めないという事態はもどかしい。
しかし、特にタワーケース以上のデスクトップPCはパーツの換装や買い増しがやりやすく、手を加えても同居の家族などにバレにくいというアドバンテージがある。そこで、後々のパワーアップを視野に入れ、今、税込み10万円以下で手に入れられるデスクトップPCを入手する作戦をお勧めしたい。
今回用意したのは、税/送料込みで9万8100円というマウスコンピューターのミニタワー型デスクトップPC「mouse DT3」だ。なお、今回行う一連のテストは、メーカーの保証対象外の行為となるので注意してほしい。
このmouse DT3は、インターネットや動画の視聴、ビジネスや学習での書類作成など、日常用途で快適に扱えるのを主眼に置いたスタンダードモデルだ。小柄で扱いやすいボディーと、税込みで10万円を切るリーズナブルな価格、BTOでの柔軟なカスタマイズが可能であり、最新モデルではCPUにCore i3-12100とIntel B660チップセットを採用したことで、高い基本性能と将来的な拡張性も確保している。
もちろん、上を目指せば切りがなく、将来的に超重量級のゲームタイトルを楽しみたい、4K動画の編集などをバリバリこなしたいというのであれば、本機以外の選択肢を取った方がいい。あくまで日常作業をスムーズにこなせ、一通りのゲームタイトルを適度に遊べるというのがゴールとなる。
本機の標準モデルの詳細なレビューはこちらの記事に譲り、ここでは実際にパーツを交換してどれだけ性能がアップしたのか、どの部分を優先して強化すべきかといったところにフォーカスしていく。
まずはメモリをパワーアップしてみよう。
標準構成のメモリ容量は8GB(DDR4-3200/8GB×1)だ(BTOでは最大64GB/32GB×2まで選べる)。日常的な用途で特にストレスは感じない状態ではあるが、ビデオ会議をしながら作業をしたり、複数のアプリを同時に使ったりする場合はやはり物足りない。
そこで、8GBのメモリを増設して16GBにパワーアップしてみよう。Webブラウザやビデオ会議などもメモリを消費するし、特にCPU内蔵GPUの本来の性能を発揮させるには、デュアルチャンネルアクセスは劇的に効く。
ここでは標準状態と同じ容量の8GBメモリ(DDR4-3200)を1枚追加して合計16GBとした。マザーボードのチップセットはIntel B660で、メモリは既に枯れたDDR4なので、価格もAmazonなどでは1枚5000円〜3000円程度で入手できるなど手頃だ。BTOメニューでは+6600円で16GBにできるため、予算が許せば購入時に選択しておきたい。
メモリを16GBにした状態で各種テストを行ったところ、グラフィックス性能を測る3DMarkやFINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマークで顕著にスコアが伸び、PCの総合性能を図るPCMark 10でも明らかなスコアの向上があった。
また、実際にビデオ会議をしながらの作業も快適になり、費用対効果という意味でも大きな成果を得られた。
続いては、ストレージのパワーアップに取り組んでみた。
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