Matter対応で何が変わった? 実売3980円のスマートリモコン「Nature Remo nano」を試してみた山口真弘のスマートスピーカー暮らし(3/4 ページ)

» 2023年07月14日 12時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
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Matterでのセットアップでつまずきやすいポイントとは

 これらのセットアップ作業は、スムーズに進めば10分もかからずに完了するはずなのだが、筆者の場合、あれこれと回り道をしたせいで3時間以上もトライ&エラーを繰り返す羽目になった。

 理由はいくつかあるのだが、最大の要因は、Nature Remoアプリ上で家電製品を登録しないまま、先にHomeアプリに登録しようとしたことだ。本製品の登録完了後に、Homeアプリに表示されるアイコンは家電製品だけで、本製品そのもののアイコンは表示されないため、家電製品なしで登録すると、見た目が何も変わらないままセットアップが完了するので戸惑う。

 ちなみにセットアップ完了後に家電製品を追加する方法もあるにはあるのだが(以下の画像参照)、最初はなるべく家電製品を登録済みの状態で、Homeアプリへの登録を行った方が分かりやすい。アクセサリーを追加する画面にも、Matter対応のアクセサリーを個別に追加するらしき手順はあるのだが、試した限り登録を完了させることができなかった。

Nature Remo nano mini スマートリモコン Matter 本製品に新しく家電製品を登録しても、自動的にはこのHomeアプリの画面には追加されない(左)。Nature Remoアプリに戻って本製品の設定画面を開くと「Matterを介して操作できる家電」という項目があるので、右端の鉛筆マークをタップする(中央)。新しく追加した家電製品(エアコン)のチェックマークが入っていないので、チェックして「保存」をタップしよう(右)
Nature Remo nano mini スマートリモコン Matter これにより「Matterを介して操作できる家電」に、先ほどはなかった「エアコン」が追加された(左)。Homeアプリに戻ると、自動的に家電製品(エアコン)が追加されている。部屋が正しくなければ手動で修正する(中央)。ちなみに、新規アクセサリーの追加画面でも正体不明のMatterデバイスが表示されるが、どうやらここからは追加できないようだ(右)

 前述のように、Homeアプリへの追加にあたってiCloudキーチェーンとパーソナルリクエストは有効にしておく必要があるが、セットアップの時点では、ひとまず無効でも作業は完了でき、また基本動作も問題なく行えることを確認した。

 ただし使い続けていると何らかの問題、例えば他のAppleデバイスに同期できないなどの問題が出てくる可能性があるので、特別な事情がない限りは有効にしておいた方がよいだろう。

Nature Remo nano mini スマートリモコン Matter iCloudキーチェーンはオンにしておく必要があるとのことだ(左)。パーソナルリクエストも有効になっていなくてはいけない(中央)。パーソナルリクエストを有効にする過程でSiriは必須であるため、「Hey Siriを聞き取る」だけは有効にしておく必要があるようだ(右)

 一方で、Homeアプリに追加するにあたっては、HomePod(もしくはApple TVなどホームハブになるデバイス)が必須で、これがないとセットアップできない。これが現状最大のネックといっていいのだが、ではHomePodのある環境でセットアップを完了させた後、これを取り外すとどうなるのだろうか。

 実際に試してみたところ、Homeアプリの画面に「ホームハブがありません」と表示されるとともに、Nature Remo nano経由で認識されている家電製品が「応答なし」となり、操作ができなくなってしまった。要するにHomePodがネットワーク上にあり、常時オンになっていないと何もできないということだ。将来的には条件が変わってくるのかもしれないが、ハードルとしてはやや高い。

Nature Remo nano mini スマートリモコン Matter 意図的にHomePodを切断した時の画面(左)。ホームハブがない旨が表示される。また連携する家電製品が全て「応答なし」という表示になっている。家電製品をタップしてもグレーアウトして操作できない(中央)。詳細画面を見ると、ホームハブとして認識されているHomePodから応答がない旨が表示されている(右)

 最後に、本製品をNature Remoアプリから削除した時の挙動もチェックしてみた。結論から言うと、連携済みの家電製品はHomeアプリからすぐさま自動削除されるのだが、本製品自体はHomeアプリの中に残ったままになる他、iPhoneの設定画面にある「Matter対応アクセサリ」にも残ったままになる。何らかの設定ミスで再セットアップを行う場合は、これらをいったんクリーンにしてから行った方がよいかもしれない。

Nature Remo nano mini スマートリモコン Matter 本製品を、Nature Remoアプリから削除するとどうなるかも試してみた(左)。削除すると、Homeアプリからも連携している家電製品がすぐに削除された(中央)。一方で「ホームハブとブリッジ」には依然として本製品が残っている(右)
Nature Remo nano mini スマートリモコン Matter この他、iPhoneの設定画面の「一般」→「Matter対応アクセサリ」にも本製品が残っている(左)。どうやらiCloudキーチェーンに保存されているようで、削除は手動で行わなくてはならない(中央)。前述の「ホームハブとブリッジ」にデバイスが残ったままだと、この画面で「Apple Home」に接続中である旨が表示される(右)

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