AMDは8月3日(米国太平洋夏時間)、デスクトップワークステーション向けGPU「Radeon PRO W7500」「Radeon PRO W7600」を発表した。両GPUを搭載するグラフィックスカードは2023年第3四半期(7〜9月)に発売される予定で、想定販売価格はW7500が429ドル(約6万1400円)、W7600が599ドル(約8万5800円)となる。
Radeon PRO W7500(左)とRadeon PRO W7600(右)
Radeon PRO W7500/W7600は、RDNA 3アーキテクチャベースの「Radeon PRO W7000シリーズ」のミドルレンジモデルで、「Radeon PRO W6600 」の後継となる。
後継モデルが2つに分かれたのは、ミドルレンジユーザーの選択肢を増やすため で、W7500は「NVIDIA T1000 」、W7600は「NVIDIA A2000 」を想定ライバルに据えている。
デスクトップワークステーション向けGPU(グラフィックスカード)は、ミドルレンジモデル(350〜950ドル)の市場が一番大きいという。この市場における選択肢を増やすべく、AMDはRadeon PRO W7000シリーズのミドルレンジモデルを2つに“分岐”する判断を下した
AMDが作成した比較表を見る限り、Radeon PRO W7500/W7600は「競合と比べて絶対的な消費電力は大きいが、価格/消費電力当たりのパフォーマンスに優れている」というアピールをするようだ
AV1コーデックのハードウェアエンコーダーやDisplayPort 2.1出力(UBHR対応)の搭載など、主立った特徴は発売済みのハイエンドモデル「Radeon PRO W7800/7900 」と同様だ。
動画のハードウェアエンコードについては、AV1コーデックでは最大で8K(7680×4320ピクセル)/60fpsに対応する。演算ユニット(CU)内にあるAIアクセラレータを生かしたエンコードの高速化にも対応する。
DisplayPort 2.1出力については、ハイエンドモデルとは異なりUHBR(超高ビットレート)伝送が最大10Gbps(UHBR10)対応となる。それでも、DSC(データ圧縮)なしの状態で6K(5888×3312ピクセル)/60Hz、DSCありの状態で8K/120Hzまたは10K(9600×5400ピクセル)/60Hzの映像伝送に対応する。
先行発売された上位モデルと同様に、DisplayPort 2.1出力端子を備えている。
AV1形式のハードウェアエンコードにも対応している。CU内のAIアクセラレーターを活用したエンコードの高速化も魅力だ
Radeon PRO W7500/W7600は、共にPCI Express 4.0 x8接続の1スロットサイズ となっている。その他の主要なスペックは以下の通りとなる。
Radeon PRO W7500
CU/レイアクセラレーター:28基
ストリームプロセッサ(SM):1792基
演算能力:24.38TFLOPS(FP16)/12.19TFLOPS(FP32)/0.38TFLOPS(FP64)
グラフィックスメモリ:8GB(GDDR6規格/ECC非対応/128bit)
Infinity Cache(L3キャッシュ):32MB
最大消費電力:70W(推奨電源容量は350W)
GPU補助電源:不要
Radeon PRO W7600
CU/レイアクセラレーター:32基
ストリームプロセッサ(SM):2048基
演算能力:39.98TFLOPS(FP16)/19.99TFLOPS(FP32)/0.62TFLOPS(FP64)
グラフィックスメモリ:8GB(GDDR6規格/ECC非対応/128bit)
Infinity Cache(L3キャッシュ):32MB
最大消費電力:130W(推奨電源容量は350W)
GPU補助電源:6ピン×1
新しいRadeon PRO W7000シリーズのラインアップ
3D CADを含むGPUレンダリングのパフォーマンスを比較した図(NVIDIA A2000の12GBモデル基準とした場合、以下同様)
写真や動画の現像/編集/書き出しのパフォーマンスを比較した図
3Dグラフィックスに冠するパフォーマンスを比較した図
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