今回は計測は省略しますが、付属のSペンもちゃんとしたものです。Galaxy Tabの上位機や液タブ、Apple Pencil 2なども含めて使ってきた本機の実感としては
といったところです。筆圧の唐突感は「良い液タブと比べれば」レベルですし、アプリで筆圧レベルを調節すればある程度カバーできます。また、遅延はアプリや動作条件によって異なりますが、CLIP STUDIO PAINTのドットペンでは、普通の液タブに慣れていれば大きな違和感ある程ではない、ぐらいでした。
一方で、Apple Pencilよりも優れている点もいくつかあります。
ワコム プロペン2などより格下なのは当然ですが、Apple Pencilとは得意/不得意こそあれ、勝負できるペンだと思います。個人的には、イラスト以外の勉強やメモ用途でもApple PencilよりもSペン(またはWacom Oneペン)の方が快適で、ゲームの攻略メモなどにもよく使っています。無限キャンバスの「コンセプト」アプリがお気に入りです(「ティアキン」のネタバレを含むので画像はのぞき込まないでください!)。
さて、本機の一番心配なポイント、性能についてです。ペンの素の遅延はともかく、実際に気になる遅延はアプリの動作が遅いことで起こりますし、メインメモリ4GBというのも最近のスマホより少なく、イラスト用途では心配にもなります。
実際にGalaxy Tab S8+とベンチマーク結果を比べてみると、CPU性能はTab S8+の半分、GPU性能は数分の1ぐらいです。GPUの差はゲームをやらないと現れづらいことが多いので、一般的な用途では概ね上位機の2倍遅いと考えればよいでしょう。
イラスト制作での解決は簡単で、「キャンバスを小さくすること」です。性能が半分と分かれば、キャンバスサイズを上位機で描く時の0.7倍に小さくし、使うブラシのサイズなどもそれに合わせます。データ量もブラシの計算量も「0.7の二乗」で約半分になり、2倍速くなるとは言わないにしても処理は相当に軽くなります。解像度を下げると仕事などでは要求を満たせなくなることはありますが、このモデルでバリバリ仕事をしようとする人はいないでしょうし、問題ないでしょう。
というわけで、今回の描画テストでは2000×1500ピクセルあたりで描いてみます。SNSに上げてスマホで見てもらう用なら、ひとまずOKな解像度です。
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