5万円台でワコムペンが使えるAndroidタブ「Galaxy Tab S6 Lite」をイラストレーターが冷静に評価する(3/4 ページ)

» 2023年08月10日 12時00分 公開
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お絵かきでチェック!

 さて、では2000×1500ピクセルのキャンバスを作って、筆圧検知レベルを調節した後、まずは乱雑に何か描いてみます。Bluetoothキーボードも接続したので、液タブより画面が小さい以外はだいたいPC作業と同じ感覚で、「普通」に描けます。

Galaxy Tab S6 Lite 6型 タブレット Androidタブ モバイル端末は普通にすら描けないモデルが多いので、ありがたいことです

 ペン先はやや滑りやすく、摩擦もゴムっぽいので好みは分かれそうです。つづけてラフを描き進めてみましたが、これも特に問題なく作業できます。筆圧を広く使って、ラフ線の探りから重みづけまで、ブラシ設定を変えずに自然にできます。

Galaxy Tab S6 Lite 6型 タブレット Androidタブ 遅延感はなくもないですが大きくもなく、一定なので気にしないでいられるレベルです

 もし描きづらかったら描くのを諦めて、いつもの「魔女さん」画像でお茶を濁すかな……とも思っていたのですが、そうはならず、線画も普通に進んでいきます。解像度低めのキャンバスを作ったせいで、線画をシャープに描こうとすると画素のガタガタが気になりますが……拡大して見なければ、さして気にならない程度だと思います。

Galaxy Tab S6 Lite 6型 タブレット Androidタブ 普段そこそこの解像度で描きたいときは長辺4000ピクセル以上にはします。今回ちょっと小さくしすぎかもしれません

 そして彩色です。肌/布/金属/レザーあたりをいつもの筆運びで試しましたが、「これが出来なくて困るな〜」というシーンはありませんでした。むしろ、自分が所有しているiPad Pro(2020年モデル)と比べると、ブラシの太さをプレビューできるホバーカーソルがあるぶん、圧倒的に作業しやすいです。

 最後の方はそこそこレイヤーを重ねて重めのデータになったはずですが、ブラシやスクロールなどのレスポンスがカクカクになることは最後までありませんでした。

Galaxy Tab S6 Lite 6型 タブレット Androidタブ ここから先、背景を描き進めるとしても、人物レイヤーを統合したファイルで進めればメモリ負荷は軽減できるので、心配はないです

 実はここまで、Wacom Oneペンに何回か持ち替えながら作業しましたが、個人的にはWacom Oneペンの方が好きです。ペン先がSペンより滑りやすいものの、軸の太さがちょうどよくて力が入れやすく、軽い筆圧の反応も少し自然です。ただし、Sペンとは筆圧レスポンス自体が異なるので、筆圧レベルの再調整が必要になります。作業中にぽんぽん持ち替えるのは非現実的でしょう。

 また、両方のペンで作業していて、いくつか気になる点もありました。

  1. ペンがホバー検知内にあるとタッチ操作ができない
  2. ペンがホバー検知外にあると手の側面や小指が誤検出されがち
  3. 他のアプリを使うとイラストアプリがタスクキルされがち

 です。

 1は、素早く操作したいならキーボードやショートカットデバイスを使った方が良いです。2はちょっとストレスですが、ペンを先に画面に近づけながら手を置くのを基本動作として癖にすればほとんど問題なくなります。身につくのに時間がかかるとしても、タッチ機能つきの液タブでも役立つ癖なので、損はしないです。3はまあ……仕方ないですね。制作中の調べ事や他のタスクはスマホでやりましょう。

 というわけで……全体にかける効果や後処理を入れて完成です。

Galaxy Tab S6 Lite 6型 タブレット Androidタブ 完成です!

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