X(Twitter)が広告収益を還元しても「悪質投稿」は増えないと思う理由本田雅一のクロスオーバーデジタル(1/3 ページ)

» 2023年08月22日 12時00分 公開
[本田雅一ITmedia]

 イーロン・マスク氏が米X(旧Twitter)を買収して以来、同氏が同社の経営方針を突然変えることは珍しいことではなくなった。

 それでも8月8日、同社が日本の一部ユーザーに広告収入を還元し始めたことには驚いた人が少なくないのではないだろうか。同氏は2月から広告収入を投稿者に還元することを表明していたが、還元が突然始まった格好である。

 この“収益化”がXに何をもたらすのか――ある人は「タイムラインの荒廃をもたらす」と予想し、ある人は「X Premium(旧Twitter Blue)を契約する有料ユーザーの増加につながる」と予想している。

 少々考えすぎかもしれないが、この施策が「Xユーザーの“階層化”」を意図したものだとするならば、「将来的に匿名の『捨てアカウント』の影響力を削ぐためのシステム改変をしようとしているのではないか?」といった見方もできるかもしれない。

 突然の発表からの1週間少々を振り返って、Xの収益化がもたらすものについて再考してみることにしよう。

所々に残るTwitter Twitter改め「X」だが、日本のコーポレートサイトなどを見ると、いまだにTwitterの表記も残っている。さまざまなことが“急に”進んでいることを象徴しているかのようだ

収益化の基準は不明瞭

 今回の収益分配について、還元率など詳細なアルゴリズムは公開されていない。ゆえに予告なく変更される可能性も高い。

 とはいえ、少なくとも開始直後に日本円にして数十万円の収益を得た例もあったようだ。例えば、かつて2ちゃんねる(現5ちゃんねる)の管理人を務めていた西村博之さん(8月21日時点のフォロワー数約240万人)は、約2328ユーロの入金があったとスクリーンショットを公開した。日本円換算すると36万6000円の収益である。

 筆者の回りでも十数万円、あるいは数万円程度の入金があったという声を多く耳にした。ちなみに、筆者も約1万2000円ほどの収益を得ている。なお、これらはおよそ3カ月分の収益を合計したものであるため、1カ月月当たりにすると、その3分の1相当の額ということになる。

 収益分配は、以下の全てを満たすユーザー(アカウント)が受けられるようになっている。

  • X Premium契約者、または以前に「本人確認バッジ」を付与されていた
  • フォロワー数が500人以上
  • 18歳以上であること
  • 直近3カ月間の投稿のインプレッション(表示)数が1500万回以上(※1)

(※1)8月11日から「500万回以上」に緩和した上で、この条件を満たしたユーザーに対するX Premiumの料金(日本では月額980円)の免除も開始している

要件 インプレッション数の要件が緩和されたことで、より広いユーザーが収益配分の対象となった(画像は6000円弱の還元を得られたユーザーのイメージ)

 日常的な短文ポストだけで現金を得られるなら、ユーザーにとっての不利益はないはずだが、懸念はある。

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