数年前までは、ロボット掃除機といえばiRobotの「ルンバ」一択で、ロボット掃除機のことを総称して「ルンバ」と呼ぶ人もいたように思う。実際、筆者も人にロボット掃除機を説明するときに、ルンバ的なものと言ったこともあるほどだ。しかし、最近ではEcovacsやRoborock、SwitchBot、TP-Linkといった数多くのメーカーがロボット掃除機に参入しており、その選択肢は非常に増えてきた。
そして2023年、中国のスマート家電メーカーであるDreame Innovation Technology(ドリーミー/以下、Dreame)が本格的に日本進出を開始するにあたり、ハイエンド仕様のロボット掃除機など6機種を6月に発売した。
販路はAmazonやビックカメラ/コジマに加え、国内代理店のCFD販売などで取り扱われる。
日本での知名度はまだ低いDreameだが、2017年創業の比較的若い企業だ。水拭き掃除機というカテゴリーでは2022年の中国市場でシェア2位を獲得し、日本でも発売されたハイエンドロボット掃除機「DreameBot L10s Ultra」も、欧州のAmazonで売れ筋ランキング1位を獲得するなど徐々に存在感を示してきている。
もともと中国理系大学トップ「清華大学」出身のメンバーらによって創設されており、社員のうち7割以上が研究開発に従事しているという。特に流体力学とSLAM(リアルタイム位置検知及びマッピング)においては、業界内屈指の技術力を保有しているとアピールしている。また、モーター技術にも強く、これらの技術が掃除機にも生かされている。
今回はそのDreameが日本で発売した製品のうち、最上位モデルのロボット掃除機「DreameBot L10s Ultra」とスティック型の水拭き掃除機「Dreame H12 Pro」を使ってみたので、使い勝手などを紹介しよう。
DreameBot L10s Ultraは、日本で発売される製品の中では最上位のハイエンドロボット掃除機となる。全自動クリーニングステーションもセットになるため、価格も18万8000円(税込み、以下同様)と高価だ。
他にも、ECサイト限定でステーション付きの「D10Plus」や、掃除機単体の「D10s」なども取りそろえている。
まずは全自動クリーニングステーションについて見ていこう。ハイエンドなロボット掃除機ではもはや標準装備となっているが、DreameBot L10s Ultraもゴミの自動収集だけでなく、モップの洗浄と熱風乾燥に対応している。
ステーションの上部を開けると、給水タンクと汚水タンクにアクセス可能だ。容量はどちらも2.5Lで、最大200m2の範囲を水拭きできる。
汚水タンクと給水タンクの間には、専用洗剤を入れるタンクがある。これまで何台かモップ洗浄機能付きのロボット掃除機を使っているが、ここに洗剤を入れられるタイプは初めてだ。
前面のパネルを外すとゴミが収集される紙パックが現れる。容量は3Lで、一般的な家庭であれば最大75日間分のゴミを収集できるとのことだ。汚水の処理と給水は必要だが、2カ月以上メンテンス不要で使い続けられるのは、掃除の手間削減という点では大きな魅力だろう。
続いて、ロボット掃除機本体を見ていこう。
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