iPadが実用的なHDMI入力の外部モニターになる iPadOS 17のUVCサポートで実現 実際に試してみた(3/3 ページ)

» 2023年09月21日 15時00分 公開
[山口恵祐,ITmedia]
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映像の遅延はどの程度ある?

 iPadを外部ディスプレイとして使う手段はこれまでもあったが、いずれも表示の遅延が気になるユーザーが多かったはずだ。今回は簡易的にミリ秒まで表示できる時計を一般的なPCディスプレイとiPadでミラーリング表示してカメラで撮影することで、どの程度の差があるのか確かめてみた。

 結論から言えば、PCのディスプレイとUVC経由で表示しているiPadでは平均で34ミリ秒程度の遅延を確認できた。

photo あくまで簡易的な計測なので、参考までにしてほしい

 これは競技性の高いシビアなゲームではギリギリアウト、操作が忙しくないゲームや動画鑑賞、PC作業などでは快適に使えるというレベルだ。記者はアクション性の高い障害物競走ゲームの「Fall Guys」を試しにプレイしてみたが、問題なく楽しく遊べると感じた。これは人それぞれだろう。

著作権保護された映像は表示できる?(Netflix、Amazonプライム・ビデオ)

 HDMIにはDRM(デジタル著作権管理)やHDCP(著作権保護技術)という不正利用防止の仕組みが備わっている。これらに対応していないディスプレイにHDMI接続すると、著作権のある映像コンテンツを表示できない場合がある。

 Windows PCのHDMIポートから拡張ディスプレイとして接続してみたところ、Webブラウザで開いたNetflix、Amazonプライム・ビデオいずれも表示に問題はなかった。また、意味があるのかはさておき「Chromecast with Google TV」を接続した場合も問題なく映像が表示された。

iPadの使い方が広がるアップデートだが、使いこなしが必要

 記者はこれまで「タブレットは高品質なディスプレイを搭載しているのに、もっと汎用(はんよう)的に使えないのはもったいない」と長年感じていた。今回のUVCサポートは、この思いを解消する、非常にわくわくとするアップデートだ。

 実はiPad以外に目を向けると、一部のAndroidデバイスがUVCをサポートしており、同様の使い方ができる。しかし、それだけのためにAndroidデバイスに乗り換えるかというと、少し厳しいものがある。タブレット市場で大きなシェアを誇るiPadが対応したことは大きなインパクトがある。

 ただし、使い勝手の部分でいくつかの課題もある。

 1つ目はHDMI to USBキャプチャーデバイスの入手性が良くないことだ。現時点では自身で評判を調べて正常に動作する製品を探す必要がある。今後、iPad対応をうたう商品を周辺機器メーカーが企画してくれるかもしれない。

 2つ目はバッテリーの問題だ。iPadは接続したアクセサリーに電源供給も行うため、バッテリー消費が増える。今回もNintendo Switchなどを接続してテストしていたところ、バッテリーの減りが目に見えて早くなった。どこでも長時間表示し続けられるモバイルディスプレイとは考えない方がいいだろう。

 ならば電源を接続すればいいのだが、iPadにはUSB Type-Cポートが1つしかない。給電しつつアクセサリーを使う場合は、USB Type-Cポートを計2つに増やせる「Magic Keyboard」などを活用する必要がある。あるいは給電も可能なUSB Type-Cハブがあればいいが、こちらも実際に使えるか検証が必要だ。

photo USB Type-Cポートを計2つに増やせる「Magic Keyboard」

 3つ目は常設するディスプレイ代わりにはもったいないということだ。HDMI入力できるディスプレイとしてデスクなどに常設する用途も考えられるが、それは通常のタブレット用途とは異なる使い方になる。iPadを常設ディスプレイとして長時間使うと、画面バックライトの劣化やバッテリーの劣化が早まる可能性が高い。

 それが原因でiPadの買い換えサイクルが早まった場合、コストパフォーマンス的にいかがなものか。その点をふまえると、用途によっては最初から常設に向いたディスプレイやモバイルディスプレイなど専用機を使った方がいいケースもあるはずだ。

 ──このように、まだまだユーザー側で使い方を工夫する点はあるが、その部分まで楽しめる人ならチャレンジする価値がある。

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