米Adobeは10月10日(現地時間)、独自の生成AI「Adobe Firefly」の大幅なアップデートを行うと発表した。新しい画像生成AIモデルに移行することで、画質や操作性を改善したという。サブスクリプションサービス「Adobe Creative Cloud」(Adobe CC)に含まれる各アプリケーションの機能アップデートも行う。
Adobe Fireflyは、新しい画像生成AIモデルにアップデートされる。その中に含まれる3つのモデルのうちの1つ「Adobe Firefly Image 2 Model」は、初代モデルをベースに開発した画像やイラストの生成AIモデルで、より柔軟なコントロールや画像品質を実現した。
例えば「ユーザー指定のカスタムスタイルでコンテンツを生成する『生成 Match』、写真スタイルの画像調整を行う『写真設定』、プロンプトの追加や言い換えを支援する『プロンプト』などの新機能が含まれる。人間の肌や髪、目、手、身体といった構造のデータを改善することで、人物のレンダリング品質も向上したという。
引き続き商用利用できるコンテンツが生成可能で、安全性にも考慮しているとしている。まずはWeb版のFireflyで同日から提供を始める。
2つ目の「Adobe Firefly Vector Model」は、ベクター画像特化型の生成AIモデルだ。まずはAdobe Illustratorに「テキストからベクター生成」として搭載する。「人が制作したものと同等品質のベクターとパターンを生成できるという。
3つ目の「Adobe Firefly Design Model」はデザイン生成AIモデルで、Adobe Expressに新機能として追加する「テキストからテンプレート生成」(β版)によって、高品質のテンプレートデザインを瞬時に生成できるとしている。
ベクター描画ツール「Adobe Illustrator」には、以下の新機能などが実装される。
テキストプロントでアイコンやシーン、パターンなどのベクターグラフィックスを生成できる。
アウトライン化したテキストからフォントを識別して編集可能にする。
画像を商品写真やブランディング用のモックアップに変換できる。
Webブラウザ上でIllustratorを利用できるようになる。
写真編集アプリ「Adobe Photoshop」はWeb版の一般提供を開始する。Google Chromebook Plusデバイスでも利用できるようになる。
デザイン制作ツール「Adobe Express」のプラミアムプランには、以下の新機能などが実装される。
写真編集、管理アプリの「Adobe Lightroom」には、以下の新機能などが実装される。
Fireflyを活用して、写真のあらゆる部分にぼかし効果を追加できる。
スマートフォン向けにツールバーを改善し、人気のある機能を優先的に表示する。
ハイライトやシャドウ、鮮やかなカラーなど写真編集と書きだしの機能を改善した。
プロの写真家向けにより正確で高精度なカラー調整に対応した。
動画編集アプリの「Adobe Premiere Pro」は、タイムラインのパフォーマンスが5倍高速化し、より高速でスムーズな編集が可能になったという。さらに新しいカラー設定とトーンマッピングの強化により、より簡単に美しいカラーを表現できるとしている。他にも以下の新機能などが実装される。
Adobe Premiere Pro(β版)には、SNSの投稿で使用されているサイズとレイアウトに適したテンプレートが収録されている。ショート動画やリールの作成や編集、SNSへの直接投稿が素早く行えるようになる。
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