アドビは9月13日、コンテンツ生成AI「Adobe Firefly」のWeb版と、同社の一部デスクトップアプリに統合されたFireflyの機能を一般公開した。これにより、Fireflyによって生成されたコンテンツの商用利用が解禁される。
Fireflyは2023年3月からβテストが行われてきた。当初はプロンプト(文章)によるコンテンツ生成は英語にのみ対応していたが、日本語を含む多言語対応を進めるなど、機能の拡充を進めてきた。「Adobe Photoshop」「Adobe Illustrator」などのデスクトップ向けβアプリにも、Fireflyの技術が順次搭載されている。
Adobe(アドビの親会社)によると、これまでにFireflyを使って生成されたコンテンツは20億点を超えたという。しかし、βテスト中はコンテンツの商用利用は禁止されており、対外的に公開することはできなかった。
今回の一般公開によって、Fireflyを通して生成された画像、テキスト効果やベクターアートを商用利用ができるようになる。PhotoshopとIllustratorのデスクトップアプリや、Webベースのデザインツール「Adobe Express」のFirefly由来の機能で作られたコンテンツも同様だ。
デスクトップアプリについては、Adobe CCアプリを通してアップデートを行うことで、Firefly由来の機能が追加される。
今回の一般公開に伴い、有料サブスクリプションサービス「Adobe Creative Cloud(CC)」にもFireflyが統合され、コンプリートプランと一部の単体プランにはFirefly(Web版)とAdobe Expressのプレミアムプランの利用権が自動で付帯される。
Fireflyの機能を使って生成コンテンツを作る場合、処理の内容(負荷)に応じた「生成クレジット」が消費される。このクレジットはAdobe CCの契約内容に応じて付与される量が異なり、個人向けプランの場合は以下の通りとなっている(複数契約している場合は合算可)。
(※1)2023年11月1日以前に購入した場合は250クレジット
先述の通り、消費されるクレジットのレートは処理内容によって異なる。残量が「0」になった場合、処理の優先度が低下するなど、契約内容に応じた制限がかかる(クレジットが元々「0」に設定されているものを除く)。
クレジットは毎月リセットされ、翌月に繰り越せない。リセットのタイミングを待てない場合は、有料でクレジットを追加できるようになる予定だ(詳細は後日公表予定)。
現時点では以下のように設定されている。
(※2)最大2000×2000ピクセルの画像を処理する場合(より高解像度の場合は、追加のクレジットが必要)
(※3)11月1日までは0クレジットで処理可能
なお、一部を除く有料プランの契約者は、この仕組みが11月1日から適用される。それまでは、クレジット消費なくコンテンツを生成できる。
生成コンテンツが商用利用では、コンテンツの“元”になったコンテンツを含めた権利処理が課題となる。この点については、Fireflyで生成したコンテンツに「コンテンツクレデンシャル」を自動付与することで担保する。エンタープライズ(法人)向けサービスには、知的財産補償を受ける機械も用意するという。
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