アドビは6月13日、サブスクリプションサービス「Adobe Creative Cloud(Adobe CC)」を構成するアプリのアップデートを発表した。一部のアプリでは、アップデートによって新機能が実装される。合わせて、Webベースのデザインツール「Adobe Express」にも、パブリックβ版にいくつかの新機能が実装される。アプリは、アップデートすることで新機能を利用可能だ。
Illustratorの新機能
ベクター描画ツール「Adobe Illustrator」には、以下の新機能が実装される。なお、★印の付いている機能は英語のβ版アプリでのみ利用できる(現時点では日本語を含む他言語のβ版アプリでは利用できない)。
- 「画像トレース」パネルとメニューの刷新
- 「ReType」のβ実装
- レイヤーパネルに「検索」「フィルター」を追加
- PDF形式での保存画面で「ハイパーリンクを保持」オプションを追加
- 書き出しで「WebP形式」を選択可能に
- スクリーン用書き出しでJPEGのカラーモードを選択可能に
- 「Generative Recolor」のβ実装★
- 生成型AI「Adobe Firefly」を活用して、コンテンツのカラーリングを自動的にやり直してくれる
- 自然言語(文章)でカラーリングの指示を行うことも可能(テンプレートもあり)
- Web版の「Firefly(Beta)」にも同様の機能を実装済み
Illustratorの新機能(その1)
Illustratorの新機能(その2)
画像トレースのパネルとメニューの内容が刷新される
「Retype」はベクターイラスト内のテキストを再編集できる機能で、現時点ではβ実装となっている
Generative Recolorは、Adobe Fireflyの機能を活用してベクターイラストのカラーリングを自動的にやり直してくれる。色合いはテンプレートから選択できる他、自然言語で指示して変更することもできる。ただし、本機能は現時点において英語のβアプリでのみ利用できる
Lightroom/Lightroom Classic/Camera Rawの新機能
写真の管理/現像ツール「Adobe Lightroom」「Adobe Lightroom Classic」と、RAW画像の調整ツール「Camera Raw」には以下の機能が追加される。
- カメラの撮影データへの直接アクセス機能の実装(モバイル版のみ)
- iPhone/iPadでは「iCloud」や「カメラロール」への直接アクセスが可能に
- Android端末ではカメラの写真保存フォルダへの直接アクセスが可能に
- 別のアプリ(画面)を開かずに、写真や動画の選択/編集を実現
- 彩度調整機能の改善
- 「マスキング」における粒子の調整機能の実装
Lightroom/Lightroom Classic/Camera Rawの新機能の概要
Adobe Express(パブリックβ版)の新機能
Web版のAdobe Expressのパブリックβ版には、Adobe Fireflyを活用した新機能がいくつか実装される。また、静止画(写真など)や動画などをオールインワンで編集できる機能の追加や、Photoshop/Illustrator/Acrobat(PDF)との連携機能の強化が行われる。モバイル向けのパブリックβ版でも、これらの機能は近日中に利用できるようになる見通しだ。
Adobe Express(パブリックβ版)の新機能の概要
このパブリックβ版に実装されるAdobe Fireflyの機能は「テキストで画像生成(Text to image)」と「テキスト効果(Text effects)」の2点だが、アドビではさらなる機能実装を目指して開発を進めているという。
テキストで画像生成を使って、「木々と湖が距離を置いて配置され、青空が広がっているキャンプ場」の画像を生成したイメージ。なお、PhotoshopやIllustratorに実装されている自然言語による生成指示と同様に、現時点では基本的に英語での指示にのみ対応しているようだ
その他
レタッチツール「Adobe Photoshop」については、5月23日付のアップデートから機能追加はない。ただし、β版アプリに実装されている「Generative Fill」の日本語での呼称が「ジェネレーティブ塗りつぶし」から「生成塗りつぶし」に変更されている。
Photoshopのデスクトップ版βアプリ(とAdobe Firefly)で利用できるGenerative Fillの日本語呼称は「生成塗りつぶし」となった。機能に変更はなく、現時点で自然言語での指示は英語限定となる
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