Adobeは10月18日(日本時間)、有料サブスクリプションサービス「Adobe Creative Cloud(Adobe CC)」を2023年版にアップデートした。有効なサブスクリプション契約をしているユーザーは、無償でアプリを最新版にバージョンアップできる。
この記事では、Adobe CCを構成する主要なアプリのアップデート内容を紹介する。
静止画のレタッチツール「Adobe Photoshop」では、デスクトップ版(Windows版/macOS版)、iPad版、Web版(一部の国/地域でβ提供中)においてアップデートが行われる。デスクトップ版とiPad版の主なアップデート内容は以下の通りだ。
なお「レビュー用に共有」は、ベクターグラフィックツール「Illustrator」のデスクトップ版にもβ実装される。
iPad版に実装される主な新機能は、デスクトップ版では既に利用できる。
写真の管理/現像ツール「Adobe Lightroom」(Windows/macOS版、Android版、iOS版、iPadOS版)と「Adobe Lightroom Classic」(Windows/macOS版)では、主に以下の機能改善/追加が行われる。
LightroomのWindows/macOS版とLightroom Classicには、AIベースの「マスクツール」として新たに「人物の選択」「オブジェクトを選択」「背景を選択」が追加される。
「人物の選択」では、写真に写っている個人やグループを検出できる。人物の全体だけでなく、特定の身体パーツを選択することも可能だ。
「オブジェクトを選択」ではその名の通り、加工を行いたいオブジェクト(要素)の選択を手伝ってくれる。使い方は簡単で、ブラシ選択ツールでオブジェクト周辺をペイントするか、矩形選択ツールで加工したいオブジェクトの周辺を囲むだけでよい。
「背景を選択」ではその名の通り、背景のマスクを直接生成できる。従来は「被写体のマスクを作成→反転」という手順で背景のマスクを生成していたが、新バージョンでは反転作業抜きで直接背景をマスク指定できるようになる。
LightroomのWindows/macOS版とLightroom Classicでは、6月のアップデートで「アダプティブプリセット」が新規実装された。
今回のメジャーアップデートではLightroomのiOS版とiPadOS版でもアダプティブプリセットを利用できるようになった他、ポートレート(人物)用のプリセットが追加される。
LightroomのWindows/macOS版では、ローカル調整に適用されるマスクの強度を調整する「マスク量スライダー」が実装される。
Android版ではマスク機能を利用できる端末が限定されていたが(※1)、今回のアップデートで全ての端末で「被写体を選択」「空を選択」のマスクを作成できるようになった。これはサーバによる処理サポートが導入されたことによる。
(※1)メインメモリが6GB以上の端末で正式サポート。メインメモリが4GB以上6GB未満の端末では「テクノロジープレビュー」として利用可能
全てのLightroomとLightroom Classicに新規実装される「コンテンツに応じた削除」は、写真の修復や不要な部分の除去を自動的に行う機能だ。基本的な仕組みはPhotoshopに実装されている「コンテンツに応じた塗りつぶし」と同様である。
その他、アプリごとに以下の新機能や機能改善が行われる。
ビデオ編集アプリ「Premiere Pro」では、以下の機能変更が行われる。
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