Privacy Talkの利用にあたっては、特定のアプリなどを必要とせず、USB Type-CケーブルまたはBluetooth接続でデバイスにつなぐだけで利用できる。Bluetooth 5.2をサポートしており、対応プロファイルはHFP/A2DP/AVRCPで、対応コーデックはSBC/aptX/aptX HDとなっている。通信距離は最大10mだ。
対応OSはWindows 10以降/macOS 11以降、スマートフォンではiOS 12以降/Android 10以降となっている。
ファブリックカバーにマウスパッドを取り付けた本体ユニットを装着し、補助バンドを調節してマスクを付ける要領で身につける。ここでの注意点は、マウスパッドと口元を密着させ、イヤフォンもシッカリと耳に装着することだ。
どちらも隙間があると、そこから音が漏れたり耳に入ったりするので、せっかくの減音効果も減衰してしまう。特に気をつけたいのは、発声時に口を大きく開けたり動かしたりしないことだ。いわゆる演劇部で行われる発声練習のように発話すると、そのたびにマウスパッドに隙間ができてしまう。同様に、ガムをかみながら利用するのも適さない。
また、イヤーピースもS/M/Lの3サイズが付属しているので、自分の耳に合ったサイズを選ぼう。
今回はPrivacy TalkをWindows PCに接続し、ZoomとMicrosoft Teamsでビデオ会議を行った。Privacy Talkの電源は、本体ユニットにある電源ボタンでオン/オフを切り替え、ボタンの長押しでペアリングモードになる。
まずファブリックカバーを装着すると、マウスパッドがきつく感じて湿気がこもったようになるが、電源を入れるとファンが回り始め、じきにそれほど気にならなくなる。ファンの風切り音も静かな場所でないと気が付かないほどだ。
マスクを装着したら基本は鼻呼吸となるが、試しに口呼吸を行っても、音声が乱れたりノイズが乗ったりすることもなかった。ただ普段、口呼吸を無意識に行っている人は慣れるまで息苦しく感じるかもしれない。
ビデオ会議を始めると、驚くほど自然に相手の声が聞こえる。周囲がうるさいところでも減音効果があるのが分かる。ただ、筆者の場合は出荷時に装着されていたイヤーパッド(サイズM)から、サイズの大きなタイプに変更したところ印象は大きく変わった。イヤーパッドは3つのサイズが付属しているので、各自耳に合ったものを選びたい。
自分の話し声が漏れているのかを周囲の人に確認したところ、オフィスやカフェ内などそれなりの環境音があるところでは、50cm程度離れると「何かは話しているようだけど内容は全く分からない」程度に、静かな部屋でも1mくらい離れたら同様の状態になる。どちらも、発話の内容を把握するならばPrivacy Talkに密着するぐらい近づく必要があった。
一方でマイクの音質はお世辞にもいいとは言えず、昨今のハイブリッドワークに最適化されたノートPC内蔵の音質に比べると、内容はきちんと伝わるが一昔前の内蔵マイク程度となる。
また日頃からノイズキャンセリング機能付きイヤフォンやヘッドフォンを利用している人からすると、周囲の音を極端にカットできるわけではない。シャットアウトできるか否かは、イヤーパッドの適合具合にかなり左右される印象だ。
半信半疑でPrivacy Talk使ってみたが、自分の話し声の減音効果は想像以上のものがあった。試しにBluetooth接続のスピーカーで音楽を流しながらビデオ会議を行ったが、双方でMicrosoft Teamsにある「デバイスの設定」→「ノイズ抑制」を「オフ」にしても、相手に音楽が聞こえるようになるのはPrivacy TalkにBluetoothスピーカーを密着するぐらい近づける必要があったのは驚きだ。
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