Appleが6月13日に発売した「15インチMacBook Air」はその名の通り、従来モデル(約13.6型)よりも大きな15型台(約15.3型)ディスプレイを備えるMacBook Airのバリエーションモデルだ。Apple Storeの販売価格(税込み、以下同)は19万8800円からとなる。
リリース当時の記事のタイトルにもある通り、本機の特徴は「どんなWindowsノートPCよりも薄くてパワフルでファンレス」という点にある。一方で、ファンレスということで「本当にパワフルなの?」という疑問が湧く人もいるだろう。そこで本稿ではベンチマークテストを通して本機の実力をチェックしつつ、どのようなユーザーにお勧めなのか考察していきたい。
15インチMacBook Airは、量販店向けの固定構成モデルが2種類用意されている他(8GBメモリ+256GB SSD構成と8GBメモリ+512GB SSD構成)、Apple Store(オンライン/店頭)と一部の量販店ではメモリやSSDの容量やキーボードを変更した「CTOモデル」も購入できる。
今回レビューするのはスターライトのCTOモデルで、メモリ容量を標準の8GBから16GBとしている。直販価格は25万4800円で、主なスペックは以下の通りだ。
Apple M2チップを搭載する15インチMacBook Airの本体は、リサイクルアルミニウム製のボディーを採用しており、地球環境への影響が考慮されている。ファンレスデザインを採用しているため、作業負荷が高まった時でも静かに動作する。副次的な効果として、15型台のノートPCとしてはスリムボディーを手に入れた。
デザイン的には、先行して登場した13.6型モデル(13インチMacBook Air)をそのまま大きくしたような印象だ。個人的には「Airらしくない」とは感じるものの、1枚の板のようなシンプルなデザインは、スタイリッシュに仕上がっている。重量も約1.51kgと15型台のノートPCとしては軽いので、持ち運びもしやすい。
15インチMacBook Airは、現行の「MacBook Pro」シリーズと似た外観となっている。しかし、左右の側面にあるポート類は、シンプル化されている。
ポート類は、左側面にMagSafe 3充電ポートとThunderbolt/USB4(USB Type-C)ポート×2を、右側面に3.5mmヘッドフォンジャックを備える。「Pro」ユース向けではないためか、HDMI出力端子やSDメモリーカードスロットは省かれている。充電/給電端子としてMagSafe 3充電ポートを備えているので、充電/給電のためにThunderbolt/USB4ポートを使わずに済むことはありがたい。
気になるのは「Thunderbolt/USB4ポート」という表記だ。両ポートは以下の機能を備えている。
この仕様を見ると「なぜ『Thunderbolt 3』あるいは『Thunderbolt 4』と名乗らないのだろうか?」と疑問の思う人もいるだろう。
まずThunderbolt 4だが、規格上「4K(3840×2160ピクセル)の映像を2画面同時に外部出力可能」という要件が定められている。しかし、15インチMacBook Airの映像の外部出力は「1台の外部ディスプレイで最大6K解像度、60Hz」という仕様となっている。つまり、Thunderbolt 4の要件を満たしていないのだ。
一方で、本機はUSB4にも対応している。この規格自体はThunderbolt 3を下敷きに策定されたものだが、完全にイコールというわけではない。そのため「Thunderbolt 3」と名乗るのも違和感がある。ゆえに「Thunderbolt/USB4ポート」という表記になったのだろうと思われる。
なお、ワイヤレス通信はWi-Fi 6(2.4GHz帯/5GHz帯対応のIEEE 802.11ax)とBluetooth 5.3に対応する。
続けて、画面やキーボード、電源回りの仕様をチェックしていく。
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