このスタイラスペンは、4096段階の筆圧検知にも対応している。どの程度の実用性があるかも気になるところだ。いくつかのアプリで試してみよう。
まずはノートアプリの「OneNote」だ。新規ノートブックを起動し、「描画」で適当なペンツールを選び、力を入れたり抜いたりしながら線を引いてみたところ、きちんと線の太さに反映された。こうしたビジネス系のアプリで筆圧検知が役に立つシーンがどのくらいあるかは分からないが、ひとまず問題なく利用できる。
続いては、お絵描き系の「メディバンペイント」だ。こちらも問題なく筆圧検知が利用できる。デフォルトでは筆圧検知はオフになっているので、設定画面を開いて「筆圧ペンを使用する」などスタイラス用のチェック項目をオンに切り替える必要があるが、それさえきちんと行えば、ペンツールごとの太さや色も含めた詳細な設定も行える。
ちなみに側面ボタンは、OneNoteでは消しゴムとして機能する。メディバンペイントでは消しゴムに加えて、押しながら画面に近づけるとルーペになる機能も用意されており、細かい部分を拡大表示したい場合に役立つ。
ここではOneNoteとメディバンペイントについて紹介したが、Fire OSの手書きペンのスタートガイド内では、ペン対応のアプリとしてこれ以外に6つのアプリが紹介されている。新規にアプリを探している場合は、これらの中から選べばより確実だろう。
中には「ドローイングデスク」アプリのように、いったん細い線が引かれたあと、力を入れた部分がじわじわと太くなっていくという独特の挙動がみられる場合もあるが、これはアプリごとの個性とみなしてよいだろう。そういった部分も含めて挙動はさまざまなので、いくつかのアプリを併用して、どれを使い続けるかを決めるとよい。
一方、実際に使っていて多少気になるのは、アプリによって線の描画がペン先の動きから少し遅れる場合があることだ。アプリ自体がペン対応であっても、こうしたケースがよくあるのは、スタイラスペンの利用経験がある人ならば承知のはずで、本製品もその例に漏れない。
むしろ注意したいのは、あらゆるお絵描き系のアプリがFireで利用できるわけではないことかもしれない。スタイラスペンを用いたデジタルでのお絵描きを新規に始めるユーザーならまだしも、iOSやAndroidなど他のプラットフォームから移行してくる場合は、慣れ親しんだアプリがあることが大前提だろう。本製品の利用にあたっては、まずはそれをチェックするところから入る必要がありそうだ。
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