以上、ざっと使ってみたが、とにかくカジュアルに使えて実用性は高い。細かいイラストを描くにはコツが必要だが、筆圧検知は4096段階とApple Pencilの1024段階と比べてもはるかに多い上、電池式にしてはそれほど重くなく、手に持った時のバランスも悪くない。使っていくうちに慣れで解消できる部分も多そうだ。
お絵描きではなく文字認識を前提とした手書きや、メモ入力用途であれば、OS自体がサポートしてることもあり、安心して使える。スタイラスペンも実売4980円とリーズナブルで、価格以上の価値をもたらしてくれそうだ。
ネックとなるのは、Fire Max 11と違い、本体側面にマグネットで吸着するギミックが用意されておらず、ペンとセットで持ち歩く場合に紛失しやすいことにある。本製品はFire Max 11と違って側面がフラットではないため、例えマグネットを内蔵していても装着は難しかっただろう。今後のボディーデザインの刷新を待つしかない。
またペアリング不要で利用できる反面、電池残量を把握する機能がないのもやや困りものだ。寿命目安は半年と長くこまめな交換が必要になるわけではないが、うまく動作しないトラブルがあった場合に予備電池が手元にあると原因の切り分けをしやすいので、用意しておくことをお勧めする。単六形乾電池というやや特殊なタイプなゆえ要注意だ。
なお新型Fire HD 10は、オプションとしてスタイラスペンは用意されているものの、専用キーボードは用意されていない。とはいえ、Fire Max 11のようなポゴピンによる接続をサポートしないというだけで、外付けキーボード自体を利用できないわけではなく、本製品を使ってテキスト入力を行いたい場合は、Bluetooth接続の市販のキーボードを利用するとよいだろう。
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