実測60g切りの「ロジクールG PRO X」の軽量ワイヤレスマウスと低遅延ワイヤレスキーボードはどうだ? 実機を試す(2/2 ページ)

» 2023年11月28日 12時00分 公開
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利便性を高めた「PRO X TKL LIGHTSPEED」

 PRO X TKL LIGHTSPEEDは、ベストセラーの「PROキーボード」をベースに、メーカー独自規格のワイヤレス接続(LIGHTSPEEDワイヤレス/Bluetooth)機能やボリュームローラーなどを追加したプロ仕様のハイエンドキーボードだ。PROキーボードと同様に、USBによる有線接続にも対応する。ボディーカラーはブラック、ホワイト、マゼンタから選べるが、今回はホワイトモデルをレビューする。

PRO X TKL LIGHTSPEED PRO X TKL LIGHTSPEEDは、ベストセラーの「PROキーボード」の無線対応/機能強化版という位置付けだ

 「TKL」というモデル名の通り、本機はテンキーレス仕様だ。本体サイズは約352(幅)×150(奥行き)×34(高さ)mmとなっている。重量は約1010gだ。

 ゲーミングキーボードでは、テンキー以外のキーを省いてコンパクト化したものも増えているが、「コンパクト化」と「普段使いの便利さ」のバランスを取ると、テンキーを省く程度の方が使いやすいように思う。キーボード配列は日本語のみとなる。

 本体はアルミニウム合金のプレートを使用しており、スタイリッシュで高級感のあるデザインとなっている。専用のキャリーケースも付属するため、オフライン大会やイベントに参加する際に、キーボードをしっかり保護しながら持っていける。

高級感 アルミニウム合金のプレートを使用していることもあり、本体には高級感がある。日本向けモデルのキー配列は日本語のみとなる
カバー キーボードを保管/運搬する際に便利なカバーが付属する。こちらもなかなかにカッコいい

 PCやゲーム機との接続は、LIGHTSPEEDワイヤレス、BluetoothとUSBの3方式に対応する。先に紹介したPRO X SUPERLIGHT 2のようにLIGHTSPEEDワイヤレス規格に準拠するワイヤレスゲーミングマウスがある場合は、同じUSBドングルで同時接続できる。

 バッテリーは本体に内蔵されており、LIGHTSPEEDワイヤレスを利用した場合の駆動時間は最長50時間となる。

背面 キーボードの奥側には、有線接続と充電用にUSB Type-C端子がある

 ゲーミングキーボードの目玉の1つといえる「キースイッチ」は、ロジクール独自の「GXキースイッチ」を採用している。押し心地は「タクタイル」と「リニア」の2種類が用意されているが、リニアスイッチはブラックモデルのみ選択できる。今回レビューしているホワイトモデルは、タクタイルスイッチとなる。

 GXキースイッチは高速タイピングに対応しつつも、7000万回以上の高耐久性を確保している。今回はクリック感のあるタクタイルスイッチということもあり、タイプ音は少し大きめだった。特に、スペースキーのように大きめのキーを押すと、底打ち時に響くような音が鳴る。

 キーキャップは、摩耗性に優れ光透過性を向上させる高品質な「ダブルショットPBTキーキャップ」を採用している。RGBライトと相まって、いい感じで光る。

GXスイッチ 今回レビューしたPRO X TKL LIGHTSPEEDのホワイトモデルは、タクタイルタイプのGXキースイッチ(茶軸)を採用している。リニアタイプのスイッチ(赤軸)は、ブラックモデルのみ用意される

 本体上部には接続方法やプロファイルの切り替え、LED輝度変更ボタン、メディアコントロールボタン、コントロールダイヤルが搭載されている。この部分は「G913 TKLキーボード」と同様だ。

 本キーボードの少し残念なポイントとして、リセットポイントがアクチュエーションポイントに追従する「ラピッドトリガー機能」に対応していないことがある。

 筆者は普段、PCゲームをする際にラピッドトリガー対応のキーボードを愛用していることもあり、、このキーボードを使うと動作のキビキビ感がなく、違和感を覚えてしまった。キーの打ち心地は良好なだけに、もったいなく感じる。

各種切り替え F1〜F4キーの上には、無線接続の方式切り替えボタン、プロファイルの切り替えボタン、LEDライトの輝度調整ボタンが搭載されている。キーボードのプロファイルの設定は、Logi G HUBから行える
メディアキー F9〜F12キーの上にはメディアコントロールボタンが用意されている
ダイヤル 右上にあるボリュームダイヤルは、その名の通りスピーカー音量を調整するためのダイヤルだ

 PRO X SUPERLIGHT 2と同様に、このキーボードもLogi G HUBから各種設定を行える。LEDライティングの設定の他、「ゲームモード」やキーに割り当てる機能の設定を行える。

 ゲームモードを使うと、ゲーム中に特定のキーを“無効化”することができる。「ゲーム中にWindowsキーを押して自爆した」といったことを防ぐ上で有効だ。

 キーに割り当てる機能の変更だが、(ほぼ)全部のキーのカスタマイズに対応するゲーミングキーボードが多い中、このキーボードはカスタマイズ範囲がファンクションキー(F1〜F12キー)に限られる。キーをカスタマイズしすぎて大変なことになるリスクはないものの、キーを柔軟にカスタマイズしたい人には物足りないかもしれない。

Logi G HUB Logi G HUBでLEDライトの設定を行っている様子
Logi G HUB ゲームモードを使うと、ゲーム中に特定のキーを無効化できる。無効化するキーはユーザーが指定することも可能だ
カスタマイズ キーの機能変更は、ファンクションキーのみとなる

 PRO X TKL LIGHTSPEEDは、PRO キーボードから順当に進化したキーボードであることは確かだ。「ワイヤレスの日本語配列テンキーレス」ということで、ピンポイントに刺さるユーザーは少なくないのではないだろうか。

 今回はタクタイルスイッチのモデルを試用したが、アクチュエーションポイント直前で荷重が最大になるため、FPSをよくプレイする人はリニアスイッチモデルの方が使いやすいだろう。ただし、リニアスイッチモデルはカラーがブラックのみとなるため、ゲーミングデバイスをホワイトで統一しているユーザーにとっては悩ましい。

 また、ラピッドトリガー対応製品と比べると、キー入力のレスポンスは遅くなってしまうため、ストッピング動作にもたつきを感じる場面もあった。前述の通りタイプ音はやや大きめで、イヤフォンやヘッドフォンをしていれば気にならないが、マイクによっては確実にタイプ音を拾ってしまうレベルなので注意したい。

 本機はメーカー独自のLIGHTSPEEDワイヤレス規格の無線接続に対応する。Bluetooth接続ではどうしても遅延が発生してしまうため、タイトルによってはプレイが難しく、スリープからの復帰もややもたつく。それに対して、LIGHTSPEEDワイヤレスを使って接続すれば遅延も少なく、本体がスリープ状態でもなにかしらのキーを押すことで確実に復帰してくれる。ストレスなく無線接続にできることはうれしい。「低遅延ワイヤレス接続対応かつ日本語配列のゲーミングキーボード」となると、ほとんど選択肢がない。PRO X TKL LIGHTSPEEDはそのような“隙間需要”に刺さるキーボードだ。

 キーの打ち心地は良好で、作りもハイエンド機ならではなだけに、機能面でもう少し詰めてほしかったと思う面もある。ロジクールの製品は量販店の店頭などでも触れる機会が多いと思うので、ぜひPRO X SUPERLIGHT 2の軽さやクリック感、PRO X TKL LIGHTSPEEDのタッチ感を試してみてほしい。

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