さよなら「Cortana」、よろしく「Copilot in Windows」──2023年後半、Microsoftが注力する生成AI関連サービスの一つとして、Windows 11と10に新たなアシスタント機能「Copilot in Windows」が追加された。一方で、まだ新しい機能について把握していない人も多いはずだ。
本連載「極める!Copilot in Windows」ではCopilot in Windowsで使える機能を紹介したい。まず本稿では、その概要と基本操作について確認していこう。
冒頭でも述べた通り、2023年12月にCopilot in Windowsが正式版としてリリースされた。と同時にWindowsにおけるアシスタント機能の名称なども一新された。これまで親しみのあったキーワードについても、状況がガラっと変わっており、何度も名称変更が繰り返されたこともあって正直、全体像はかなり把握しづらい。記事を読み進める上でも混乱しやすいので、まずは用語を整理しよう。
大まかに抑えるべきは以下の3点となる。
→2023年12月に「Copilot in Windows」として一般提供開始
→2023年12月に「Copilot」へとブランド名を変更
(※ただし、現状ではまだWeb上・Windows上に「Bing Chat」の部分も残っている)
→2023年11月に「Copilot for Microsoft 365」と名称変更して一般提供開始
なお、これらの機能名群は頭に「Microsoft」を付け、「Microsoft Copilot in Windows」のように表記されることもあるが、読みづらくなるので、省略する形で統一したい。
Copilot in Windowsはその名の通り、Windows上で利用できるAIアシスタント機能だ。現状では2022年9月にリリースされた「Windows 11 2022 Update(22H2)」や、2023年10月にリリースされた「Windows 11 2023 Update(23H2)」向けに提供が開始されている。
また、2023年11月からは「Windows 10」向けにもプレビューが提供されている(※「Windows 10」自体は、2025年10月14日にサポート終了予定)。
ちなみに、Microsoftが公開しているCopilotについての解説ページを確認すると、Windows 11に対して一般提供されている機能も、まだ「プレビュー版」という扱いであると書かれている。
まず、厳密に言えばCopilot関連の機能は、「Windows」(=OS)、「Bing(Bing.com & モバイルアプリ)」(=ブラウザ・検索エンジン)、「Microsoft 365」(=アプリケーション)のように、複数の形態で提供されている。しかし、日常的な運用において、こうした区分を意識することはおそらく重要ではない。
Windowsにおける体験として、Copilotを使うための手段として覚えておきたいのは2つの場所──「(1)Edgeのサイドバー」「(2)Copilot in Windowsの画面」からの利用方法だ。今回はこれらを確認しよう。
まず、「Edge サイドバー」から試してみたい。「Edge」を起動し、一番右上に「Copilot」のアイコンがあるのでこれをクリックする。これでブラウザの右端にCopilotの画面が開く。
続いて、Copilot in Windowsの場合だ。タスクバーにあるCopilotのアイコンをクリックしよう。これでデスクトップ画面の右端にCopilotの画面が開く。また、WindowsキーとCキーを同時に押下するショートカットキー操作でも、このウィンドウを開閉できるので覚えておくとよい。
既に「ChatGPT」に触れたことがある方ならば、チャット形式の生成AIの体験は慣れたものだろうが、WindowsにおけるCopilotならではの特徴としては、Microsoftアカウントさえあれば、Windowsの標準機能として無料で使えることが挙げられる。
その上で、大規模言語モデルとしてはOpenAIの「GPT-4 Turbo」を用いており、Microsoft Edgeと連動して、アドレスを指定しながらWebページの要約などを依頼するといった使い方もできるのが便利だ。同じくOpen AIのAIモデルである「Codex」や「DALL・E 3」を使ったプログラミングコード生成や画像生成にも対応する。これらは、OpenAIとMicrosoftがパートナーシップ関係にあることに由来する。
もちろん、Microsoftの独自技術も使われているので、単にChatGPTと同じことができるだけではない。例えば、WindowsとOSレベルで連携しているため、OSに関する設定やアプリケーションの操作、トラブルシューティングなどと連動して機能することなども見逃せないポイントだ。
本連載では次回以降、こうしたWindows関連のCopilot機能の使い方について、実際に検証しながら具体的な使い方などを探っていく。
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