プロナビ

新登場「AI PC」の実力は? 日本エイサーのCore Ultraプロセッサ搭載「Swift Go 14」を試して分かったこと(1/3 ページ)

» 2024年01月11日 18時30分 公開
[マルオマサトITmedia]

 日本エイサーが12月15日に発売した14型モバイルノートPC「Swift Go 14」の最新モデル(SFG14-72)は、同日に発表されたIntelの最新CPU「Core Ultra 7 155H」をいち早く搭載した。日本向けモデルの直販価格は21万9800円(税込み)となる。

 Core Ultraプロセッサは、IntelのCPUとしては久しぶりにプロセスルールと内部構造が更新されており、ブランドを刷新したこともあって注目度は高い。

 今回、日本エイサーから本機の「16GBメモリ/1TB SSD」構成(※1)の評価機を借用できたので、Core Ultra 7 155Hの実力と発熱などをチェックしていこう。

(※1)日本では「32GBメモリ/512GB SSD」構成が販売される(評価する構成は日本未発売となる)

Swift Go 14 Swift Go 14の新モデルを通してCore Ultra 7 155Hの実力をチェック!

先進技術の詰まった「Core Ultra 7プロセッサ」を搭載

 先述の通り、本機にはCPUとしてCore Ultra 7 155Hが搭載されている。開発コード名「Meteor Lake」で知られるIntelの最新CPUのHシリーズ(高性能ノートPC向け)の中位モデルだ。

 先代の第13世代Coreプロセッサ(開発コード名:Raptor Lake)からの進化点は数多い。まずCPUダイの構造がガラリと変わり、「Compute」「Graphics」「SoC」「I/O」と4種類のダイを「タイル」として組み合わせて1つのCPUパッケージを作る「タイルアーキテクチャ(チップレット)」技術を採用している。これはIntel製CPUのメインストリーム製品としては初めての取り組みだ。

 CPUコアが内包されているComputeタイルには、最新のプロセスルール「Intel 4」を適用すると共に、性能優先の「高性能コア(Pコア)」と電力効率優先の「高効率コア(Eコア)」共にブラッシュアップを行い、電力効率が向上している。さらに、メモリコントローラーや電力管理を担当する「SoCタイル」には、より省電力を優先したCPUコア「低電力Eコア(LP Eコア)」を統合し、Pコア/Eコアと合わせて3種類のコアを最適に使い分ける仕組みとなった。

 加えて、SoCタイルにはAI処理用のNPU「Intel AI Engine」を統合。Graphicsタイルに備わるGPUコアも「Intel Arc Graphics」に刷新され(※2)、大幅に処理能力が向上している。

(※2)Intel Arc Graphicsの名称は、メインメモリが容量16GB以上かつデュアルチャンネル構成の場合に付与(条件に合致しない場合は「Intel Graphics」という名称になる)

CPUロゴ CPUとしてCore Ultra 7 155Hを搭載する。内蔵GPUはメインメモリの構成によって名称が変わるが、本機は容量16GB以上かつデュアルチャンネル構成なので「Intel Arc Graphics」となる
CPU-Z 「CPU-Z」でCore Ultra 7 155Hの情報をチェックする。6基のPコア、8基のEコアに加えて、2基のLP Eコアを備え、これらCPUコアとは別にNPUも実装する
GPU-Z 「GPU-Z」で内蔵GPUの情報をチェックする。本文にもある通り、Core UltraプロセッサのGPU名称はメインメモリの構成で決まるが、本機の場合は「Intel Arc Graphics」となる。アーキテクチャを刷新し、描画性能が大幅に向上している

 メインメモリは最新かつ高速なLPDDR5X-6400規格を採用し、評価機は16GBを備える。ストレージはPCI Express 4.0接続のSSDで、評価機は1TBのモジュールを搭載している。

再びCPU-Z メモリはLPDDR5X-6400規格を採用する。評価機は16GBを備えていたが、日本向けモデルは32GBとなる
デバイスマネージャー Windows 11の「デバイスマネージャー」を確認すると、プロセッサ(CPU)とは別に、NPUもデバイスとして登録されていることが分かる
SSD 「CrystalDiskInfo」でSSDの情報をチェック。本機にはMicron製のSSD「Micron 2550シリーズ」の1TB/Type 2280モデル(MTFDKBA1T0TGE)を搭載していた。公称のシーケンシャルアクセス速度は、読み出しが毎秒5000MB、書き込みが毎秒4000MBとなっている
CrystalDiskMark CrystalDiskMark 8.0.4でSSDのアクセス速度をチェックした。公称以上の速度をマークした

 次のページでは、CPUやSSD以外のハードウェア面での特徴をチェックしていく。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年12月09日 更新
最新トピックスPR

過去記事カレンダー