ここからは、Swift Go 14のパフォーマンスを検証しよう。
本製品は、「AcerSenseユーティリティ」アプリからシステムの使用モードが選べるようになっている。今回は、特に言及がない限り「パフォーマンス」で統一してテストを行った。OS(Windows 11)の電源設定も、基本的に「最適なパフォーマンス」に設定している。
参考として、2018年発売のビジネスノートPCに加えて、2022年発売のCore i7-1260P(基本消費電力28W)を備えたノートPCのスコアも掲載する。
CINEBENCH R23(最低実行時間10分)のCPUスコアは、マルチコアで1万2595ポイントとなった。基本消費電力(PBP)が28WのCPUとしては良いスコアではある。
しかし、パフォーマンス重視の“Hシリーズ”のCPUだと考えた場合、PBPが45Wに設定されている「Core i7-12700H」や「Core i7-13700H」の水準スコアよりは低い。単純にCPUの性能“だけ”を見ると、微妙というのが正直なところだ。
一方、グラフィックス(GPU)の性能向上はめざましい。
3DMarkの「Time Spy」のスコアは、Core i7-1260P搭載機の2倍以上で、FINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマーク(FF14ベンチマーク)でも1920×1200ピクセル(標準品質)で1万1000ポイント超と、これまでのCPU内蔵GPUからは一線を画す高スコアをマークしている。
PCMark 10のスコアも、着実に良くなっていることが確認できた。
AcerSenseのモードを「通常」、Windows 11の電源設定を「トップクラスの電力効率」にして、画面輝度50%の状態でPCMark 10の「Modern Office Battery Life」を実行したところ、バッテリー残量が100%から6%になるまでの所要時間は11時間42分となった。
動作音については、「パフォーマンスモード」では高負荷時はかなり大きな音になるものの、「通常モード」であればかなりマイルドになる。「サイレントモード」であれば高負荷時でも静音なまま利用できる。
発熱の処理も優秀だ。高負荷時でも手がよく触れるパームレストに不快な熱が伝わってくることがなく、快適に使える。
Core Ultraプロセッサを早くも搭載したことで注目されるSwift Go 14だが、テストの結果は上々といえる。
CPUの純粋なパフォーマンスは目立つものではなかったが、グラフィックスを含めたトータル性能、そして電力効率の進化はしっかりと感じられる。その進化を生かして、本製品はパフォーマンスとモビリティー(持ち運びやすさ/バッテリー駆動時間)やユーザビリティー(発熱の低さ)を高次元で両立させている。画面の表示品質やAIを活用したカメラフェクトも魅力だ。
冒頭でも触れた通り、日本向けモデルは21万9800円と価格もこなれている。いち早く新世代CPUの進化を体験したい人には、大きな魅力ある1台となっている。
今の段階で持ち運びができるノートPCの購入を検討しているならば、最有力の候補となる製品の1つだろう。
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