セットアップには、スマートフォンにインストールした「JBL ONE」アプリ(iOS 14.0以降/Android 8.0以降対応)を利用する。BAR 800の電源を入れておけば、アプリを立ち上げるだけで自動的に認識され、Wi-Fi設定やファームウェアのアップデートなどが行われる。
製品がサウンドバーだけに、アプリ自体にはそれほど設定できる項目は多くない。イコライザー設定もあるが、簡易的な印象だ。
このアプリで便利なのは、音響測定を行うときだろう。JBL BAR 800は、ワイヤレスのリアスピーカーを好きな場所に置いて楽しめる。通常のオーディオシステムであれば、最適な設置位置を自分で微調整するところだが、BAR 800では設置場所を認識し、音響を自動的に調整してくれる。その調整を行うのが音響測定だ。
最初にリアスピーカーを自分が座る場所に置いてキャリブレーションを行い、その後に実際の設置位置に置いてもう一度キャリブレーションを実施する。音響測定は、アプリを使わずに付属のリモコンを使っても行えるのだが、アプリを使った方が画面の指示に従えばいいだけなので簡単そうだ。
なお、キャリブレーション中は専用のアラームのような音が大きめの音量で発生する。近所迷惑になるほどの音ではないが、家族が寝ている夜間などは避けた方がいいだろう。
肝心の音についてだが、これについてははっきり言って申し分ない。この手の製品では、大音量であればクリアに聞こえるものの、音量を絞ると明瞭感が失われてしまうものもあるが、JBL BAR 800では小音量から大音量まで非常にクリアに聞くことができた。音量を上げると低音をかなり強く感じるが、これは設置環境の問題もあるだろう。
マニュアルには、サウンドバーの設置場所から座る場所まで2.5〜3mが推奨されているが、今回はPCで使うという前提で、約60cmという極めて近い位置で使っている。サウンドバーを机上に設置して使おうと考える人はそう多くはいないだろうが、やはりもう少し距離を開けた方が快適なリスニング環境にはなるだろう。
そしてBAR 800の特徴でもあるワイヤレスのリアスピーカーだが、設置や取り回しは非常に簡単だ。配線にわずらわされることもなく、設置後に先述したキャリブレーションを行うことで、最適な音響設定を得られる。リアスピーカーを使ったサラウンドレベルも、リモコンからLOW/MID/HIGH/MUTEを簡単に切り替えられる。
PCに接続して使うということで、もちろんオンライン会議などにも利用できるが、マイクは非搭載なので別途用意する必要がある。また、デフォルトではサウンドエフェクトに、より深みを持たせる独自のEQとJBLサラウンドを使用する「スマートモード」が有効になっており、音楽や映画を楽しむ分にはいいのだが、人の話し声が若干聞き取りづらい場合がある。
その際はスマートモードをオフにして、スタンダードモードで利用することも可能だ。スタンダードモードでは、音楽の深み(音の厚み)はなくなるが、人の声は明瞭に聞こえるようになる。
スマートモードはリモコンの操作(ミュートボタンを3秒以上長押ししてから、音量の+ボタンを押す)で簡単にオン/オフの切り替えが可能なので、オンライン会議やYouTubeの配信を見るような場合はオフ、音楽や映画、ゲームをする場合はオンにするなど使い分けるといいだろう。
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