先述の通り、LIFEBOOK UH90/E3はPCI Express 3.0 x4接続のSSDを搭載している。CPUのCore i7-1165G7自体はPCI Express 4.0にも対応しているのだが、そもそも4レーンしかない。本機は外部GPUを搭載していないので、理論上はこの4レーンをM.2 SSDスロットに割り当てていれば、(排熱問題はさておき)現在主流のPCI Express 4.0接続のSSDのポテンシャルを引き出せる。
しかし、対応モジュールが乏しかったこともあり、本機と同世代のノートPCのM.2 SSDスロットはPCI Express 3.0規格が基本となっている。ご多分にもれず、本機のM.2 SSDスロットもPCI Express 3.0規格だ。
よって、本機の換装用SSDを探す場合はPCI Express 3.0 x4接続のものが良い……のだが、時代の流れもあって現在のM.2 SSDはPCI Express 4.0 x4接続がメインストリームである。入手性の観点からすると、PCI Express 4.0 x4接続の現行製品を探した方が手っ取り早い可能性が高い。
基本的に、PCI Express 4.0 x4接続のM.2 SSDには「後方互換性」がある。読み書きの速度が多少落ち込むことを織り込めば、PCI Express 3.0 x4規格のM.2スロットでも利用可能だ。
今回は「残容量が少なくなったことに起因すると思われる書き込み速度の低下」が換装のきっかけなので、おのずと容量は1TB以上となる。最近は1TB以上の容量でも手頃なSSDが増えているので、迷ってしまうところだ。ただし、本機では“超”高速な読み書きは求めていないので「そこそこ速くて1TB以上のM.2 SSD」を探すことにした。
そんな中、ウエスタンデジタル(WD)から「『WD BLUE SN580』の1TBモデルを試してみませんか?」とお声がけをいただいた。せっかくの機会なので、買い換えに向けた参考として試してみることにした。税込みの実売価格は1万円前後だ。
WD BLUE SN580は、WDのメインストリームストレージ「WD BLUE」の最新モデルの1つで、PCI Express 4.0 x4接続のSSDだ。公称スペックでは、シーケンシャルリードとシーケンシャルリードは共に毎秒4150MB、耐久性は600TBW(※1)とされている。
なお、この速度はPCI Express 4.0 x4接続時の値なので、PCI Express 3.0接続の場合はどうしても遅くなる。PCI Express 4.0の理論通信速度はPCI Express 3.0の2倍なので、単純計算すると速度が最大で半減する可能性がある。PCI Express 3.0 x4対応の本機で、WD BLUE SN580(1TBモデル)のパフォーマンスはどのくらいなのか――今回のレビューでチェックしたいポイントの1つとなる。
(※1)Terra Bite Written:SSDの定格寿命を書き込み容量で表したもの。600TBWなら「600TB書き込むと定格寿命を迎える」という意味で、保証期間内でも保証対象外となる
M.2 SSDを用意できたところで、次は換装に向けた準備を行う。
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