「dynabook R9/X」は店頭モデルもメモリ32GB標準で気合いバッチリ Core Ultra搭載のフラグシップが登場(2/2 ページ)

» 2024年02月14日 18時30分 公開
[山口恵祐ITmedia]
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dynabookシリーズの「エンパワーテクノロジー」

 そもそもとして、基本的に同じプロセッサを搭載している製品は同程度の処理性能を発揮するものだ。しかし、近年のCPUは製品の設計や機構の違いにより性能差が生じる。プロセッサの性能を最大限引き出し続けられるかどうかは、PCメーカーの腕にかかっている。

 dynabookシリーズは以前から「エンパワーテクノロジー」と題した設計思想のもと、一般的に熱処理が難しくなる薄型軽量のモバイルPCにおいても、プロセッサのパフォーマンスを最大限に発揮させる設計を継続して取り入れている。例えば、発生した熱を効率的に排出する放熱技術や、高度な実装によって実現する2つのファンとフィンの機構などだ。

photo 放熱技術に着目したエンパワーテクノロジー
photo 長時間処理を続けても、継続してパフォーマンスを発揮できる
photo dynabook R9/Xの分解模型

 杉野氏はこうした技術が最新のCore Ultraプロセッサにおいても有効で、パフォーマンスを最大限発揮させられると自信を見せた。

 さらに最新のCore Ultraプロセッサの搭載によって、バッテリー駆動時間が従来機のR9/Wに比べてアイドル時が約14%、動画再生時で約10%改善したという。特にビデオ会議で使われる背景ぼかしやノイズキャンセルといったAI処理をNPUで処理できるようになることから、より現実的な利用シーンでも省電力性に優れる結果が得られるだろうと話した。

photo 従来モデル「dynabook R9/W」とのバッテリー駆動時間比較

 一方で、NPUを活用するソフトウェアを充実させることは、AI PCを打ち出すと決めた業界全体の課題でもある。同製品説明会に登壇したIntelの安生健一氏(技術本部部長 工学博士)は、Intel Core Ultra搭載PCが、待ち望まれていた国内メーカーのDynabookから登場したことを歓迎しながらも、「(NPUを活用する)ソフトウェアがそろっていないということは認識している」と話す。

 「いろいろなソフトウェアデベロッパーさんと話をしている。ローカルでAI処理できることで『何か大きな革新が起こせるのではないか』という期待や熱量をものすごく感じている。私も非常に期待しており、一緒に実現していきたい」(安生氏)

 dynabook R9/Xはフラグシップモデルということもあり、店頭販売モデルも標準で32GBのメモリを搭載するなど気合いが入っている。Dynabookは具体的な時期は明かせないとしながらも、今回の新モデルを皮切りに、Core Ultraプロセッサ搭載モデルを引き続き投入する計画だ。

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