利用にあたっては、背面のキックスタンドを開いて立てた後、画面を覆っているキーボード面を開くことで、キー入力に適したスタイルになる。極めて一般的な構造だ。
特徴的なのは、背面のスタンドの開き方にある。一般的にキーボード一体型のケースでは、背面を覆っているプレートの下半分を広げてスタンドとして使うが、本製品はプレートの上半分を180度近く折り返し、スタンドの役割を担わせるという珍しい構造になっている。
この構造は、スタンドの強度がある程度あってこそ実現できるもので、見方を変えると本製品の頑丈さを示しているとも言える。その一方、画面を垂直寄りに立てるのは苦手で、どちらかというと画面がやや天井を向いた角度の方が自然な形ということになる。
今回は試用期間が短いため長期的な耐久性までは検証できていないが、本製品を長く使い続けた場合、可動範囲が広いこのスタンドがどのくらい持つのかは、少なからず気になるところだ。
続いてキーボードについて見ていこう。キーはUS配列ベースで、最上段のファンクションキー列も含めて6段構成だ。キーはアイソレーションタイプで、ストロークは実測1.5mmと、この手のキーボードとしては優秀である。バックライトは搭載していない。
一般的にiPadの本体カバーと一体化しているキーボードは、本体の横幅があらかじめ決まっていることから、10型クラスの製品だとキーピッチは狭くならざるを得ない。本製品のキーピッチは実測で17.5mmと決して広いとは言えないが、うまく折り合いをつけた結果ということになる。
ちなみに利点として挙げられるのは、Returnキー回りの文字キーも幅を詰められることなく、同じキー幅を確保していることだ。例外となるのは、上から2段目の左端にある「\」キー、上から3段目の右端にある「む」のキーで、これらを含めた記号類のキー配置は、やや独自色が見られる。
キーボード回りでユニークな機能として、マルチペアリングキーの存在が挙げられる。キーボード左上に配置されたこのキーを使えば、iPadだけでなく、ペアリングしたもう1台のデバイスについても、切り替えつつキーボード入力が行える。筆者は具体的な用途があまり思い浮かばなかったのだが、他にない機能だけに用途がハマれば重宝するかもしれない。
最後に、トラックパッドを試してみよう。
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