ThinkPadの2024年モデルでは、コラボレーションツールとしての機能を強化する観点で、X1/X/Tシリーズではカメラモジュールの基本スペックの“底上げ”が行われている。
ThinkPad X1シリーズでは、Webカメラモジュールを以下のいずれかから選択できる。
4K(3840×2160ピクセル)撮影に対応するWebカメラは、ThinkPadとしては初めて搭載される。画素数換算すると約800万画素のセンサーだが、4画素を1画素として利用する機能(いわゆる「ピクセルビニング」)に対応しており、本機能を有効にすると光を集める能力を高めたフルHDカメラとして運用することも可能だ。
また、本カメラに統合された人感センサー(Computer Vision)は「第2世代」となっており、従来の人感センサーと比べて消費電力を抑制しつつも、応答速度が改善されている。またマルチディスプレイ環境で人感機能を有効かできるようにもなった。
ThinkPad X/Tシリーズでは、約500万画素カメラが標準化された。これにより、「Windows Studio Effects」でフレーミング撮影した際の伝送解像度を高められる。オプションで顔認証機能を搭載することもできる(X12 Detachableは顔認証も標準装備)。なお、顔認証対応の約500万画素はThinkPad L14 Gen 5やThinkPad L16 Gen 1にも搭載可能だ。
ThinkPad X12 Detachableについては、約800万画素のアウトカメラ(AF対応)も備えている。
従来、ThinkPadのコンバーティブル式2in1モデルには「Yoga」というモデル名を付けていた。しかし、コンシューマー(個人)向けの「Yogaブランド」との区別を明確にするため、2024年モデルからはYogaの代わりに「2-in-1」を冠する。ただし、世代(Gen)は旧称時代のものをそのまま引き継ぐ。
名称の変更例は以下の通りだ。
サステナビリティー(持続可能性)を向上する観点から、レノボでは今後ThinkPadにおけるユーザー交換可能な部品(CRU)を増やしていく方針だ。元々、他社のノートPCと比べるとThinkPadはCRUが多いことで知られているが、それを一層強化していくことになる。
今回の新モデルでは、ThinkPad T14 Gen 5とThinkPad T16 Gen 3において内蔵バッテリーをCRUとして新たに定義した。最近のThinkPadではリチウムポリマーバッテリーを採用しているが、それに幾つかの安全対策を施した上でCRU化したという。
ただし、内蔵バッテリーがCRUとなるのは大容量バッテリー(T14 Gen 5は52.5Wh、T16 Gen 3は86Wh)を選択した場合のみで、容量の小さいバッテリー(T14 Gen 5は39.3Wh、T16 Gen 3は52.5Wh)を選んだ場合はCRUとならないので注意しよう。
ThinkPad T14 Gen 5とThinkPad T16 Gen 3では、本体内部にある他のCRUについても、交換しやすくなる工夫を施している。交換できる箇所が基板にシルク印字されているのだ。シルク印字によって、どこに何を差し込めるのか迷うことも少なくできる。
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