SoC(プロセッサ)は、MediaTek製の「Helio G88」を搭載している。CPUコアは8基構成(Cortex-A55+Cortex-A75)で、GPUコアは最大1GHz駆動(Mali-G52 MC2)となる。
メインメモリは4GB、ストレージは64GBと、昨今のAndroidスマートフォンと比べるとやや控え目だ。コンテンツ消費をメインで考えるのなら、メモリ容量はこれでも十分なのだが、ストレージに動画や書籍を大量にダウンロードすることに備えて、ストレージの容量は128GBを標準にしてほしかった。
恐らく、ストレージ容量を抑えて価格を手頃にした分、足りない分は外部ストレージ(microSD)で補う――そういう発想なのだろうが、最近は大容量のmicroSDもそれなりに高価な上、アプリによってはmicroSDへのデータ保存に対応しないこともあるので、悩ましい(そのために、Lenovo Tab B11が存在するのかもしれないが)。
試しに「GeekBench 6」アプリでベンチマークテストを実施してみると、シングルコアスコアは432ポイント、マルチコアスコアは1392ポイントという結果になった。ランキングによると、Qualcommが数年前にリリースしたミドルレンジSoC「Snapdragon 710」と同程度だ。
「数年前のミドルレンジスマホ/タブレット並みの性能」と聞くと、使い心地が気になるところだ。実際に使ってみると、アプリのアプリが遅かったり、タップの反応が悪くなったりする場面もたまにあるが、全体的に意外とレスポンスはいい。
冒頭で触れた「コンテンツの消費」という目的で使うなら、十分な性能を確保できている。
デフォルトのホーム画面は、右にスワイプすることで「YouTube」や「Google TV」といったエンターテイメントコンテンツが表示される。Fireタブレットのホーム画面と雰囲気は似ている。
Lenovo Tab M11には「Lenovo Freestyle」という機能も搭載されている。Windows PCと接続してファイル共有を行ったり、PCのサブディスプレイとして利用したりできるようになるというものだ。機能自体は目新しいものではないのだが、タブレット側にアプリがプリインストールされており、特に設定も必要ないというのは便利だ。
一方、Windows PC側で使う場合は「Microsoft Store」からアプリをインストールする必要がある。現時点ではMac(macOS)には対応していない。
Windows PCのサブディスプレイとして使用する場合は、Wi-Fi(無線LAN)を介して映像を受信することになる。「ミラーリング」はもちろん、「画面拡張」に利用することも可能だ。
多くのユーザーは画面拡張で利用することになると思うが、率直にいうとレスポンスはかなり悪い。スペックがスペックだけに、Lenovo Tab M11の処理が追いついていないからかもしれないが、マウスポインターは明らかに“遅れて”動く。頻繁な操作には向いていない。
「資料を表示しておく」「参考サイトを開いておく」くらいの使い方なら十分実用的だが、このような使い方なら、サブディスプレイとして使わずに、Android上で表示したほうがストレスはない。
Lenovo Tab M11は、高性能なAndroidタブレットを求める人には向かない。しかし、コンテンツ消費がメインであれば、十分に満足できる性能を備えている。価格も手頃で、コストパフォーマンスに優れたAndroidタブレットだ。
OSも「Android 13」で、Google Play ストアからアプリを入手できる。「Fireタブレットは、Googleのサービスを使うのに難があるんだよな……」と思っている人にもお勧めできる。
特に、専用スタイラスペンが付属しているのは大きな魅力であり、頻繁に手書きメモを行うという人とっては、Lenovo Tab M11は魅力的な選択肢になるだろう。
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