レトロモダンなキーボード/マウス「Lofree」シリーズは、魅力的なルックスだけじゃない実力派だった(1/3 ページ)

» 2024年07月23日 15時17分 公開
[瓜生聖ITmedia]
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 Lofreeという名前を聞いたことはあるだろうか。もともと一部のキーボード愛好家の間で知られる海外ブランドだが、2024年5月に日本の三陽合同会社が国内代理店契約を締結したことで、同ブランドのキーボード、マウスが国内でも正式に販売されるようになった。今回はその3製品を紹介しよう。

Lofreeとは

 Lofreeは中国・深センにあるShenzhen Lofree Cultureの展開するライフスタイルブランドだ。特にコンピュータ周辺機器に強みを持っており、レトロモダンを中心としたユニークなデザインに対する評価が高い。2017年に発売したメカニカルキーボード「The Dot」シリーズは、全世界で200万台以上販売されるなど、単にデザインだけでは達成できない売れ行きを記録しており、日本でもその注目度は急上昇している。

 今回、国内販売が開始された同ブランドの製品は、テンキー付きメカニカルキーボード「Lofree Block」、84%ロープロファイルキーボード「Lofree Flow」、ワイヤレス/有線マウス「Lofree Touch PBTワイヤレスマウス」の3つだ。順に見ていこう。

photo どことなく懐かしいカラーリングのLofree Block

「Lofree Block」キーボード

 Lofree Blockキーボードは、レトロモダンなデザインが特徴のメカニカルキーボードだ。オレンジのアクセントは往年の「X68000」や「PC-6001」といったPCをほうふつとさせ、ボディーとキーキャップに施されたカラーのアイボリーとソフトグレーは、「IBM Model Mキーボード」以来の伝統的なカラーリングのようだ。

 機能キーなどの一部はテンキー上部に移動もしくは省略されており、全98キー、横幅387mmとテンキー付きとしてはコンパクトになっている。

photo 機能キー、右コントロールキーを省き、右シフトキーと0キーを短縮。テンキー付きながら横幅は40cmを切る
photo 背面のスタンド部にアクセントカラーのオレンジが配されている
photo スタンドはリング状のユニークなデザインだ
photo スタンドを閉じたところ
photo スタンドを閉じた状態の角度は4度となる
photo スタンドを立てると8度の傾斜角になる

 キースイッチはTTCと共同開発したリニアタイプのMX互換フルPOMメカニカルスイッチを採用している。キーを押し込んでオンになる深さを示すプリトラベルは1.6mm、荷重は43gの比較的オーソドックスなスタイルだが、ホットスワップに対応しており、好みに応じて交換できる。

 キーキャップは摩擦に強く、耐久性が高いダイサブ(昇華印刷)PBTだ。英語配列のみの展開で、キー印字も英数記号のみのすっきりしたものだが、バックスペースやエンターなど一部のキーには独自の意匠が施されている。

 Blockキーボードの内部構造は基板をボディーに固定せず、パッドで挟み込んで基板全体が沈み込むことで衝撃感を軽減するガスケットマウント設計を採用している。ボトムケースの上には反発力が強く、静音性を向上させるポロン、基板の上には衝撃を吸収するIXPEフォーム、さらにその上に緩衝材と、何層もの異なる衝撃吸収材を重ねることで、底打ち感のあるクリアなタイプ音になっている。重量は約1090gと、タイプ時の打鍵時の安定性も申し分ない。

 デザイン上、重要な右上のノブコントローラーは単なる装飾ではなく、左はボリューム(押し込みでミュート)、右は接続方式の切り替え兼電源スイッチとなっている。

 接続方式は有線(USB)、Bluetooth5.0、2.4GHz無線(専用ドングル)の3種類、Bluetoothのペアリングは3台まで保存可能だ。接続先の選択では、まずノブコントローラーで有線(CAB)、無線(WLS)のいずれかに設定、無線の場合はその後にFn+1〜3でBluetooth、Fn+4で2.4GHzを選択する。

 このあたりの手順についてはやや不自然な印象を感じるが、デザイン先行の設計だったのかもしれない。例えば、押し込みで電源オン/オフ、回転で有線・Bluetooth1〜3・2.4GHzが選択できるなど、1つのコントローラーで1つの機能を実現した方が分かりやすかったのではないだろうか。

photo 特徴的なオレンジカラーのノブコントローラー。左はボリューム、右は電源および接続方式切り替えに使用する
photo USB Type-Cは充電/有線接続兼用だ。Windows/Mac用配列はスライドスイッチで切り替える
photo 2.4GHz無線接続用ドングルは本体に内蔵できる

 もう1つ、普通のキーボードにはないものがEnterキー右側とテンキー間のインジケーターだ。NUM/CAPSロック、無線接続先(BT1.2.3/2.4GHz)、バッテリー残量を表示するものだが、光量が弱く、やや見づらかった。とはいえ、接続先やバッテリー残量が分かりやすい形で常時表示されているキーボードも少数派なので、この点はアドバンテージだといえるだろう。

photo Enterキー右側とテンキー部の間にインジケーターがあるが、光量が弱くやや見づらかった

 昨今の高級キーボードの傾向である、キーマップ変更には対応しておらず、専用カスタマイズツールの提供もない。そのため、バックライト(白色)のエフェクトも本体からFn+←/→キーを使って14種類から選択するようになっている。

 全体としてLofree Blockはレトロデザインを採用したシンプルな高級キーボード、という印象だ。決して多機能ではないが、昇華印刷のPBTキーキャップ、フルPOMメカニカルスイッチ、何層もの衝撃吸収材を使ったガスケットマウント設計など、日常的に使う立場としてキーボードに求めたい基本的なスペックを高いレベルで実装している逸品といえるだろう。

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