続いてはいくつかのベンチマークテストをもとに、Snapdragon X Elite(Snapdragon X X1E-80-100)の性能をチェックしていこう。Copilot+ PCのスタートを飾るSnapdragon X Eliteの性能はいかほどか。
まずは、Arm版Windowsにも対応した、3DモデルのレンダリングでCPUの性能をテストできる「CINEBENCH 2024」で結果を測定してみた。なお、GPUテストはシステム要件を満たしておらず実行できなかったため、CPUのシングルコア性能とマルチコア性能の結果を紹介する。
なお、比較対象としてSnapdragon 8cx Gen 3を搭載したWindows開発キット2023、Apple M1 Proを搭載した14インチMacBook Proで計測した結果を用意した。結果は以下の通りだ。
【シングルコア】
【マルチコア】
こうして比較してみると、シングルコア性能については、もともとの性能の高さとDual Coreブーストの恩恵が見て取れる。対抗メーカーであるAppleの上位プロセッサと比較して、1割ほど高いパフォーマンスを発揮することが分かった。
手元にM3ファミリーを搭載したMacBookが無いため、最新モデルとの比較ができない点は少し悔しいが、少なくともM1ファミリーの上位モデルと遜色ないパフォーマンスを発揮できている点は良いポイントだろう。
シングルコア性能と比較して、マルチコア性能についてはほぼ大差ない結果となった。Surface Laptop 13.8インチモデルに搭載されているモデルが、下から2番目のモデルと考えれば健闘しているようにも思えるが、もう少し高いスコアが出るのではと期待していただけに、少し残念な結果に終わってしまった。
続いては、3Dグラフィックス性能を測定できて、かつArm版Windows用のアプリも提供されている「GFXBench」の結果を確認していこう。GFXBenchでは、Windows開発キット2023を比較対象とし、DirectX 12を利用したベンチマークを測定した。各テストのスコアはそれぞれ以下の通りだ。
【Aztec Ruins DirectX 12 (High Tier)】
【4K Aztec Ruins DirectX 12 (High Tier)Offscreen】
【1440p Aztec Ruins DirectX 12(High Tier)Offscreen】
【Aztec Ruins DirectX 12(Normal Tier)】
【1080p Aztec Ruins DirectX 12(Normal Tier)】
Snapdragon X X1E-80-100の統合GPUはQualcomm Adreno GPUが搭載されており、最大で3.8 TFLOPsの処理能力を誇っている。最近のQualcommはGPUの世代を表さなくなったため、モデル名から性能がなかなか把握しづらいが、少なくともSnapdragon 8cx Gen3の統合GPUと比較すると、どの項目においても2倍以上のスコア差をつけている。
Windows開発キット2023が発売された当初のAdreno GPUについては、「思ったより健闘している」という印象だったが、Snapdragon X X1E-80-100はどうも一皮むけた印象を受ける。
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