Snapdragon X Eliteを搭載した新型「Surface Laptop」 パフォーマンスをチェック ARM版Windowsの未来は意外と明るい?(2/3 ページ)

» 2024年07月26日 12時00分 公開
[Yukito KATOITmedia]

Snapdragon X Eliteの性能をチェック!

 続いてはいくつかのベンチマークテストをもとに、Snapdragon X Elite(Snapdragon X X1E-80-100)の性能をチェックしていこう。Copilot+ PCのスタートを飾るSnapdragon X Eliteの性能はいかほどか。

 まずは、Arm版Windowsにも対応した、3DモデルのレンダリングでCPUの性能をテストできる「CINEBENCH 2024」で結果を測定してみた。なお、GPUテストはシステム要件を満たしておらず実行できなかったため、CPUのシングルコア性能とマルチコア性能の結果を紹介する。

 なお、比較対象としてSnapdragon 8cx Gen 3を搭載したWindows開発キット2023、Apple M1 Proを搭載した14インチMacBook Proで計測した結果を用意した。結果は以下の通りだ。

【シングルコア】

  • Surface Laptop(Snapdragon X Elite):123ポイント
  • MacBook Pro(Apple M1):109ポイント
  • Windows開発キット2023:68ポイント

【マルチコア】

  • Surface Laptop(Snapdragon X Elite):805ポイント
  • MacBook Pro(Apple M1):810ポイント
  • Windows開発キット2023:434ポイント

 こうして比較してみると、シングルコア性能については、もともとの性能の高さとDual Coreブーストの恩恵が見て取れる。対抗メーカーであるAppleの上位プロセッサと比較して、1割ほど高いパフォーマンスを発揮することが分かった。

 手元にM3ファミリーを搭載したMacBookが無いため、最新モデルとの比較ができない点は少し悔しいが、少なくともM1ファミリーの上位モデルと遜色ないパフォーマンスを発揮できている点は良いポイントだろう。

 シングルコア性能と比較して、マルチコア性能についてはほぼ大差ない結果となった。Surface Laptop 13.8インチモデルに搭載されているモデルが、下から2番目のモデルと考えれば健闘しているようにも思えるが、もう少し高いスコアが出るのではと期待していただけに、少し残念な結果に終わってしまった。

photo CINEBENCH 2024の結果

 続いては、3Dグラフィックス性能を測定できて、かつArm版Windows用のアプリも提供されている「GFXBench」の結果を確認していこう。GFXBenchでは、Windows開発キット2023を比較対象とし、DirectX 12を利用したベンチマークを測定した。各テストのスコアはそれぞれ以下の通りだ。

【Aztec Ruins DirectX 12 (High Tier)】

  • Surface Laptop(Snapdragon X Elite):6808.13ポイント
  • Windows開発キット2023:3002.26ポイント

【4K Aztec Ruins DirectX 12 (High Tier)Offscreen】

  • Surface Laptop(Snapdragon X Elite):3168.65ポイント
  • Windows開発キット2023:1428.56ポイント

【1440p Aztec Ruins DirectX 12(High Tier)Offscreen】

  • Surface Laptop(Snapdragon X Elite):6827.07ポイント
  • Windows開発キット2023:3108.18ポイント

【Aztec Ruins DirectX 12(Normal Tier)】

  • Surface Laptop(Snapdragon X Elite):10417.7ポイント
  • Windows開発キット2023:4524.62ポイント

【1080p Aztec Ruins DirectX 12(Normal Tier)】

  • Surface Laptop(Snapdragon X Elite):18447.7ポイント
  • Windows開発キット2023:7669.71ポイント
photo GFXBenchの結果

 Snapdragon X X1E-80-100の統合GPUはQualcomm Adreno GPUが搭載されており、最大で3.8 TFLOPsの処理能力を誇っている。最近のQualcommはGPUの世代を表さなくなったため、モデル名から性能がなかなか把握しづらいが、少なくともSnapdragon 8cx Gen3の統合GPUと比較すると、どの項目においても2倍以上のスコア差をつけている。

 Windows開発キット2023が発売された当初のAdreno GPUについては、「思ったより健闘している」という印象だったが、Snapdragon X X1E-80-100はどうも一皮むけた印象を受ける。

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