最大36W出力、実売1.5万円のモニタースピーカー「Edifier MR3」をチェック 本格派だがライトユースにも優しく見た目も美しい(3/4 ページ)

» 2024年10月24日 12時00分 公開
[Yukito KATOITmedia]
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スマホでイコライザーのカスタマイズや、音響のチューニングが可能に

 MR3はうれしいことに、スマホアプリの「EDIFIER Connecx」でイコライザーのカスタマイズや、音響のチューニングが行える。ハイエンドモデルと比べると設定できる内容は非常にシンプルだが、不慣れな方でも操作に迷うことの無いシンプルなUIに仕上がっている。

photo EDIFIER Connecxアプリで各種設定が可能だ

 イコライザーの設定自体も非常にシンプルで、モニタースピーカーとして使うための「モニター」モードと、音楽を視聴する際に利用する「音楽」モード、そしてゲイン設定からカスタマイズできる「カスタマイズ」モードが備わっている。

 他メーカーの上位モデルなどでは、いくつかのジャンルにあわせたプリセットが用意されているが、MR3にあらかじめ用意されているプリセットは2つのみだ。

photo イコライザーのプリセットは2つのみ
photo カスタマイズモードで好みのゲイン設定も行える

 本来はDTMやレコーディングなどで利用するモニタースピーカーなのでイコライザーの設定は特に変更しない想定ではあるが、音楽再生を楽しむユーザーもカバーするため、「音楽」モードと「カスタマイズ」モードが用意されているのだろう。

 イコライザーのプリセットが少ないものの、「音楽」モードに設定すれば低音域から高音域まで素直に音を鳴らしてくれるので、プリセットだけで十分楽しめる。

 MR3にはイコライザーだけでなく、音響のチューニングもできるようになっており、EDIFIER Connecxの「音響のチューニング」画面から、細かな調整ができる。

photo 細かな音響チューニングがアプリ上で可能に

 スピーカーはイヤフォンと違って耳から離れた場所に置くものだ。スピーカーの設置位置によっては聞こえ方が微妙に違ってくる。

photo Edifier Japan公式サイトより、スピーカーの位置とリスニングエリアのアドバイス

 メーカー公式サイトでスピーカーの位置とリスニングエリアに関するアドバイスも記載されているが、このアドバイスに従ったとしてもスピーカーを設置する部屋の状態は人によってバラバラだ。

 そのため、各部屋の状況にあわせて音響のチューニングがアプリ上から実施できるようになっている。

 例えば、「低音域周波数のカットオフ」機能は指定した周波数より低い周波数の音を、設定した減衰量で減衰(カットオフ)できるようになっている。

 スピーカーは再生できる周波数の範囲によって得意不得意や音質に大きな差が出てくることがある。例えば高音域が目立つ音楽を聞く際などに、特定の低音域周波数以下の音を減衰させることで、より良い音楽視聴体験を実現させることもできる。

 「音響空間」では、スピーカーの設置場所によって、低音を効かせるためのチューニング設定が可能で、部屋の中央にスピーカーを置く場合は0dB、部屋の隅に置く場合は-4dBに設定することで、低音域の音をより聞きやすく調整できるようになっている。

 さらに、「デスクトップコントロール」機能では、スピーカーを大きなデスクなどに設置した際、物体が前方にあると特定の周波数帯の音が大きくなることがある。この影響を緩和する機能のオン/オフも設定できる。

 筆者はそこまで音響回りに詳しくないため、掘り下げた説明がかなわなく恐縮だが、実売1万4980円のスピーカーとは思えないくらい、事細かな調整ができる本格的なモニタースピーカーとして仕上がっていると感じる。

 イコライザーの設定や、空間オーディオの設定であれば、最近の製品で実装されていることも多くなってきたが、スマホ上でここまで細かく設定できるものは今まで見たことがない。

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