GPUコアの演算性能は、以下の通りだ。
M4ファミリーのGPUは、メッシュシェーダやレイトレーシングのハードウェアアクセラレータが搭載された新しい世代のGPUコアが採用されている。ファミリー内の比較では、GPUコアの数がそのままスコア(≒パフォーマンス)の差につながっている様子がうかがえる。
GPUコアを20基搭載している14コアM4 Proチップは、演算スループットだけ見るとM1 Maxチップとほぼ同等となる。ただし、Geekbench 6とCINEBENCH 2024のGPUテストは純粋に演算性能を比較しているだけなので、M4ファミリーにおける新しいハードウェアアクセラレーターの効果は見えない。
Geekbenck 6にプリセットされたGPUのマルチコアスコアの比較表。10コアM4チップ(左)の2倍のGPUコアを備える12コアM2 Maxチップ(右)は、性能もそのまま2倍になっている。このグラフでは、旧世代のApple Siliconとの演算性能差は分かるのだが、新しいハードウェアアクセラレーターの効果は大きいGPUのハードウェアアクセラレーターの効果は、Blender BenchmarkのGPUテストでいかんなく発揮された。併せて実施したCPUテストも含めたスコアは以下の通りだ。
GPUテストの結果を過去のサンプルデータと比べると、M4 Proチップの20コアGPUは60コアGPU備えるM2 Ultraチップに迫るスコアを記録している。3分の1のGPUコアで、現状の「Mac Studio」の最上位構成とほぼ同じパフォーマンスということだ。
先述の通り、M4 Proチップは、M2 Ultraチップに対してCPU性能では超える面もある。最大メモリ容量の違いも考慮する必要があるとはいえ、M4 ProチップはM2 Ultraチップに匹敵する性能を備えると考えて良いだろう。
PugetBench for Creatorsで「Adobe Photoshop」とDaVinci Resolveのパフォーマンスをテストした結果は以下の通りだ。
M4 ProチップのスコアはM3 Maxチップのスコアを少し下回る程度だ。M4チップも、スコアだけ見るとそこそこ高速で侮れない。
GPU内蔵アクセラレーターが有利に働くBlender Benchmarkのテストでは、M4 ProチップはM1 MaxチップとM2 Maxチップの間ぐらいの性能を発揮た。そしてPugetBench for CreatorsのテストではプロクリエイターがPhotoshopを使いこなす上で十分な性能を発揮し、M4チップモデルでも、DaVinci Resolveでは(少なくとも一般的な編集用途では)4K動画の編集作業を十分快適に行えることがよく分かった。
今回はM4 Maxチップモデルのテストを行えていないが、M4ファミリーはM1ファミリーで「プロフェッショナルクリエイター向け」とされたハイエンド環境に迫る性能を実現している。とりわけ、M4 Proチップはこれまでのデスクトップ型Macにおける最高峰に匹敵する全体性能を備えている。
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