新型Macに搭載された「M4チップ」「M4 Proチップ」の実力は? 実機をテストして分かったこと本田雅一のクロスオーバーデジタル(2/3 ページ)

» 2024年11月07日 23時00分 公開
[本田雅一ITmedia]

GPUコアの演算能力は「M4 Pro≒M1 Max」

 GPUコアの演算性能は、以下の通りだ。

  • 10コアM4チップ(GPUコア10基)
    • Geekbench 6(GPUテスト):5万4834ポイント
    • CINEBENCH 2024(GPUテスト):4425ポイント
  • 14コアM4 Proチップ(GPUコア20基)
    • Geekbench 6(GPUテスト):10万8047ポイント
    • CINEBENCH 2024(GPUテスト):9063ポイント

 M4ファミリーのGPUは、メッシュシェーダやレイトレーシングのハードウェアアクセラレータが搭載された新しい世代のGPUコアが採用されている。ファミリー内の比較では、GPUコアの数がそのままスコア(≒パフォーマンス)の差につながっている様子がうかがえる。

 GPUコアを20基搭載している14コアM4 Proチップは、演算スループットだけ見るとM1 Maxチップとほぼ同等となる。ただし、Geekbench 6とCINEBENCH 2024のGPUテストは純粋に演算性能を比較しているだけなので、M4ファミリーにおける新しいハードウェアアクセラレーターの効果は見えない。

Geekbench 6 Geekbench 6(GPU)の結果
CINEBENCH 2024 CINEBENCH 2024(GPU)の結果
Geekbench 6の画面 Geekbenck 6にプリセットされたGPUのマルチコアスコアの比較表。10コアM4チップ(左)の2倍のGPUコアを備える12コアM2 Maxチップ(右)は、性能もそのまま2倍になっている。このグラフでは、旧世代のApple Siliconとの演算性能差は分かるのだが、新しいハードウェアアクセラレーターの効果は大きい

GPUのハードウェアアクセラレーターの効果は?

 GPUのハードウェアアクセラレーターの効果は、Blender BenchmarkのGPUテストでいかんなく発揮された。併せて実施したCPUテストも含めたスコアは以下の通りだ。

  • 10コアM4チップ(GPUコア10基)
    • CPUテスト:230.94ポイント
    • GPUテスト:392.34ポイント
  • 14コアM4 Proチップ(GPUコア20基)
    • CPUテスト:392.34ポイント
    • GPUテスト:2523.52ポイント

 GPUテストの結果を過去のサンプルデータと比べると、M4 Proチップの20コアGPUは60コアGPU備えるM2 Ultraチップに迫るスコアを記録している。3分の1のGPUコアで、現状の「Mac Studio」の最上位構成とほぼ同じパフォーマンスということだ。

 先述の通り、M4 Proチップは、M2 Ultraチップに対してCPU性能では超える面もある。最大メモリ容量の違いも考慮する必要があるとはいえ、M4 ProチップはM2 Ultraチップに匹敵する性能を備えると考えて良いだろう。

Blender Benchmark Blender Benchmarkの結果

M4チップでも4K動画を快適に制作できる

 PugetBench for Creatorsで「Adobe Photoshop」とDaVinci Resolveのパフォーマンスをテストした結果は以下の通りだ。

  • 10コアM4チップ(GPUコア10基)
    • Photshopテスト(スタンダード):1万353ポイント
    • DaVinci Resolveテスト(スタンダード):4529ポイント
  • 14コアM4 Proチップ(GPUコア20基)
    • Photshopテスト(スタンダード):1万1109ポイント
    • DaVinci Resolveテスト(スタンダード):7407ポイント

 M4 ProチップのスコアはM3 Maxチップのスコアを少し下回る程度だ。M4チップも、スコアだけ見るとそこそこ高速で侮れない。

PugetBench for Creators PugetBench for Creatorsのスコア

 GPU内蔵アクセラレーターが有利に働くBlender Benchmarkのテストでは、M4 ProチップはM1 MaxチップとM2 Maxチップの間ぐらいの性能を発揮た。そしてPugetBench for CreatorsのテストではプロクリエイターがPhotoshopを使いこなす上で十分な性能を発揮し、M4チップモデルでも、DaVinci Resolveでは(少なくとも一般的な編集用途では)4K動画の編集作業を十分快適に行えることがよく分かった。

 今回はM4 Maxチップモデルのテストを行えていないが、M4ファミリーはM1ファミリーで「プロフェッショナルクリエイター向け」とされたハイエンド環境に迫る性能を実現している。とりわけ、M4 Proチップはこれまでのデスクトップ型Macにおける最高峰に匹敵する全体性能を備えている。

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