落合陽一氏が「AIフェスティバル 2024」で語ったデジタルと自然の融合 なぜ「そして神社を作る」なのか(4/4 ページ)

» 2024年11月12日 16時00分 公開
[渡辺まりかITmedia]
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エッジAIの進歩を感じさせる展示も

 会場には、協賛会社による展示ブースも開設されていた。

 インテルでは、エッジAIを生かしたフリーソフト「OpenVINO ツールキット」のデモンストレーションを行っていた。

 AI PCのカメラが捉えた映像をリアルタイムで解析し、骨格の重畳表示を行うというものだ。カメラが捉えた人たちの頭/肩/肘/腰/膝などとそれぞれをつなぐ線がディスプレイに表示されるのが、見ていて楽しい。モーショントラッカーをつけることなく、無料でここまで解析できるのかという驚きもあった。

インテルブース インテルのブースで展示していた「OpenVINOツールキット」。後ろを歩く人のものも含め、骨格がリアルタイムで解析されている

 担当者は、「今回の展示のため初めて触ってみたが、意外なほど簡単に実装できた。これを元にしてアニメーションを作るなど、さまざまな展開が望めそうなので、興味のある人はぜひやってみてほしい。無料ですし」と語っていた。

 日本マイクロソフトでは、THIRDWAVEブランドのCopilot+ PCを展示していた。一般的なビデオ会議ツールには、背景ぼかしやバーチャル背景を表示するような機能があるが、Copilot+ PCではエッジ側(OS標準の「Windows Studio Effects」)で処理できる。PCに搭載されるNPUを使うため、遅延のない処理、消費量の少ない電力などのメリットも得られるという。

Microsoftブース 日本マイクロソフトのブースでは、Copilot+ PCの実機を展示していた。OS標準のWindows Studio Effectsでビデオ会議の背景をリアルタイムにぼかしていても、CPUやGPUの占有率が低いことが分かる。もっとも、写真撮影のために筆者がほぼ静止しているのでNPUの占有率も低い。動き回ればぼかす背景の位置に変化が生じることや自動追従することなどから、占有率が上がる

 「2024年内には、PC上で作業したありとあらゆることを振り返ったり検索したりできる『リコール』や、Windows標準アプリで不要なオブジェクトを消せる『コクリエイター』、ビデオ会議の音声をリアルタイム翻訳して(現在は英訳のみ対応)字幕表示する『ライブキャプション』など、NPUを活用したAI機能で、ビジネスが加速する仕組みを搭載予定です」と担当者が語っていた。

 もちろん、主催のサードウェーブもCore Ultraを搭載したTHIRDWAVEブランドの法人向けノートPCや、ビジネス向けミドルタワー「raytrek 4C」などを展示していた。

サードウェーブのブース THIRDWAVEブランドの法人向けノートPC

 その他、「第三回AIアートグランプリ」ノミネート作品や24時間AIハッカソンの各会場優勝チームの展示も行われていた。

AIアートグランプリノミネート作品 AIアートグランプリノミネート作品の1つである「墨」(優秀賞を受賞)。水に1滴の墨汁が落ち、形を変えながら消えていく様に着想を得たという
24時間AIハッカソン 24時間AIハッカソン福岡会場の優勝チーム「捗dle(はかどる)」の展示『Head-Ban-King』

 今回の展示作品は、もともと絵心がある、才能がある人の作品かもしれないが、最新の画像生成AIでは、ラフスケッチでもそれなりのイラストに仕上げてくれる。落合氏が語っていたように、「誰もが酒のつまみを作るかのように」コンテンツを作る――そんな未来がもうそこまで来ているのかもしれない。

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