8コア16スレッドで動作するRyzen 7 8840Uを搭載した13.3型ノートPCが、日本HPの「HP EliteBook 635 Aero G11」だ。前回触れた通り、1kgを切る軽量ボディーが魅力のAI PCでもある。
業務で利用するアプリや環境を整える段階で気になったのは、従来使っていた同社の14型モバイルPC「Envy x360 Laptop 14-fc(インテル)」と同様、キーボードのキーサイズや配置だ。
主要キーこそ、実測で19(横)×18(縦)mmと小型ボディーながら広めなのだが、電源ボタンがDeleteキー(上)の左隣にあって押し間違えたり、カーソルキーのサイズが小さく、PageUp/PageDownキーも誤爆しやすい位置にあることだ。
特にカーソルキーと、PageUp/PageDownキーはキートップが約19(横)×7(縦)mmと極小で、キーの形状からも分かるように隣接しているせいでミスタイプを誘発する。一方、タッチパッドのサイズは約115(横)×65(縦)mmとそれなりに確保されている。
もう1つ、細かいところでオヤッと思ったのは、パームレストに「Poly Studio」のロゴがあるものの、ユーティリティーなどはプリインストールされていないことだ。
HP傘下のPolyはビデオ会議システムを始めとして、ヘッドセットやイヤフォンなどを手掛けており、本機も細かな調整が行えるものと思っていたが、Envy x360 Laptop 14-fc(インテル)のようなサウンド回りの設定は行えなかった。また、内蔵スピーカーで一定以上の音量を出すと、本体が振動するのもサイズを考えるとやむを得ないとはいえ、やや気になった。
とはいえ、ビデオ会議では相手の声を聞き取りやすく、内蔵のデュアルアレイマイクも大きな不満なく使えた。この辺りはPolyによるチューニングが施されているのだろう。
ビデオ会議で気になる内蔵のWebカメラも、約500万画素と十分なものだ。CPUはNPUを統合したAMD Ryzen AIを採用しているだけに、「Windows Studio Effects」で自動フレーミング機能や背景ぼかし機能を標準で利用できる。
Envy x360 Laptop 14(インテル)と同じように、特に設定を変えることなくPCから離れると画面がオフになり、前に戻ると自動的に画面が点灯しWindows Helloでログインまで行える。この間は非常に高速で、使い勝手の良さは特筆できる。
ただし、Envy x360 Laptop 14-fc(インテル)にあった、液晶ディスプレイを照明代わりに使える「HP Enhanced Lighting」ユーティリティーは省かれていた。
本機が内蔵しているバッテリーは、容量が11.55V/43.3Whで、バッテリーの駆動時間は約11時間30分(MobileMark 25で計測)、JEITAバッテリ動作測定法Ver.3.0では動画再生時が約8.2時間、アイドル時が約13.8時間だ。また、充放電耐久に対応した長期利用設計(約1000回の充放電が可能)が施されている。
PCMark 10/Modern Office Battery Lifeでのバッテリー駆動時間も、実測で約11時間24分と十分なスコアを記録した。これだけの動作が可能なら、ビデオ会議の量にもよるがACアダプター不要で1日仕事をこなせるだろう。
付属のACアダプターはUSB Power Delivery(PD)対応で最大出力は65Wだ。30分でバッテリーを50%まで充電できるファストチャージもサポートする。ACアダプターの実測のサイズは55(幅)×95(奥行き)×23(厚さ)mmとコンパクトで単体の実測重量は275gだったが、付属の電源ケーブルは3ピンタイプで太く、ACアダプターとの合計重量は344gとかさばる。
別途3ピンのL字型アダプターが付属するので、こちらを持ち歩けばかさばらずに315gまで軽量化できるため利用したい。
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