Radeonの新GPUも上半期に集中していた。1月下旬にはメモリを16GB搭載したミドルレンジクラスの「Radeon RX 7600 XT」カードが5万9000円弱〜6万3000円弱で複数登場。ハイエンドクラスでは3月初旬に「Radeon RX 7900 GRE」搭載カードが9万6000円弱〜11万円弱でデビューしている。
ただし、いずれも既存のGPUを補強するラインアップにとどまり、市場に大きなインパクトを与えることはなかった。6月に2万9000円弱〜3万7000円弱で登場したメモリ8GB版の「Radeon RX 6500 XT」カードも同様に反応は静かだった。
1年を通した話題を集めたのはIntel Arcだ。5月にファミリー初の白基板モデル「Intel Arc A770 ROC Luna OC Edition」がSPARKLEから5万2000円弱で登場し、7月にはギガバイトからもArc A380搭載カードが売り出され、ベンダーの選択肢が広がった。
また、同月にはメモリを16GB積んだ「Intel Arc A770 Challenger SE 16GB OC」がASRockから5万3000円弱で登場し、「大容量メモリがこの値段で買えるとあって、動画編集などを目的とした層を中心にじわじわ売れている」といったポジティブな声がよく聞かれた。
さらに12月には、新世代のミドルレンジGPU「Intel Arc B580」を搭載したカードが複数社から5万円弱〜5万3000円弱で売り出されている。発売直後は「非ゲーム層のニッチな需要だと思います」と入荷点数を絞るコメントがいくつかのショップから聞かれたが、間もなくして「案外よく売れている」との評判が広がるようになった。
2月下旬に再編して誕生したパソコン工房 秋葉原パーツ館は「前世代よりゲーム性能が上がっていて、動画エンコードもしつつゲームも楽しみたいという人にはちょうどいい選択肢といえますね」と評価していた。
次は、CPUと対応するプラットフォームのトレンドを振り返ろう。
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