AMDが1月9日(米国太平洋時間)に発表した新型GPU「Radeon RX 7600 XT」を搭載するグラフィックスカードの販売が、1月26日(日本時間)から順次始まる。
その名の通り、本GPUは2023年5月に登場した「Radeon RX 7600」の強化版という位置付けで、搭載グラフィックスカードの想定販売価格で6万円前後(税込み、以下同)となる。
発売に先駆けて、AMDからASRock製グラフィックスカード「AMD Radeon RX 7600 XT Steel Legend 16GB OC」(想定販売価格6万2800円)を借用できたので、その実力をチェックしていく。
テストを開始する前に、Radeon RX 7600 XTの基本仕様をチェックしよう。
Radeon RX 7600 XTはRDNA 3アーキテクチャのコンシューマー向けGPU「Radeon RX 7000シリーズ」に加わる新GPUで、先述の通りRadeon RX 7600の上位製品という位置付けとなる。
AMDによると、Radeon RX 7600 XTは「1440p(WQHD/2560×1440ピクセル)のゲーミングも可能なスペック」を備えているという。Radeon RX 7600が1080p(フルHD/1920×1080ピクセル)でのゲーミングをターゲットにしていたことを考えると、一段階上のゲーミング体験が得られるGPUとなる。
主な仕様とスペックは以下の通りだ。
Radeon RX 7600と比較すると、変わったポイントは「動作クロック」と「グラフィックスメモリの容量」の2点で、それに伴い消費電力は35Wほど増えている。
端的にいうと、Radeon RX 7600 XTはグラフィックスメモリを多用する用途であれば、特に動作パフォーマンスの改善を期待できる。また、動作クロックが引き上げられたことにより、ピーク時の演算能力も約4%向上している。
先述の通り、今回はASrock製のグラフィックスカード「ASRock AMD Radeon RX 7600 XT Steel Legend 16GB OC」を使って各種テストを実施する。
本製品はASRockのゲーミングブランドの1つ「Steel Legend(スチールレジェンド)」から発売されている。そのため、同ブランドのマザーボードと組み合わせると一体感のある外観となる。
クーラー部分は3連ファンで、昨今の自作パーツ市場でも人気の高い「ホワイト」でコーディネートされている。ファンにはイルミネーションも仕込まれており、PCに組み込む場合はグラフィックスカードを垂直に設置できる「魅せるケース」と組み合わせるといいだろう。
なお、Radeon RX 7600 XTを搭載するグラフィックスカードには、2連ファン構成のものも用意されている。ケース内の奥行きを確保しづらい場合は、2連ファンのカードを検討するようにしたい。
製品名に「OC」と付くことからも分かるとおり、本製品はオーバークロック稼働に対応している。具体的にはゲームクロックは2470MHzから2539MHzに、最高クロックは2755MHzから2810MHzにそれぞれ引き上げられている。
そのため、これから実施する各種ベンチマークテストの結果は、定格スペックで実施した結果とは若干異なる可能性がある。
次のページからは、AMD Radeon RX 7600 XT Challenger 16GB OCを使ってRadeon RX 7600 XTの実力をチェックしていく。
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