AMDは1月8日(米国太平洋時間)、デスクトップ向け新型GPU「Radeon RX 7600 XT」を発表した。本GPUを搭載するグラフィックスカードは、パートナー企業を通して米国では1月24日に発売される。想定販売価格は329ドル(約4万7600円)となる。
Radeon RX 7600 XTは、Radeon RX 7000シリーズに新たに加わるGPUで、既存ラインアップでは「Radeon RX 7600」と「Radeon RX 7700 XT」の間を埋める位置付けとなる。AMDによると「1440p(WQHD/2560×1440ピクセル)のゲーミングも可能なスペック」を備えており、1080p(フルHD/1920×1080ピクセル)であれば「GeForce RTX 2060」の最大1.9倍のパフォーマンスで楽しめるという。
主なスペックは以下の通りとなる(オーバークロック非対応の場合)。
下位製品であるRadeon RX 7600と比べると、CU/レイアクセラレーターを始めとする演算/描画ユニットの基数に変わりはない。性能の差は、グラフィックスメモリの増量や駆動クロックの引き上げによって引き出しているようだ。
GeForce RTX 2060やRadeon RX 7600と平均フレームレートを比較したグラフ。マルチプラットフォームの超解像技術「FidelityFX Super Resolution(FSR) 2.0」を利用できる場合はそれを利用して比較しているようなのだが、GeForce RTX 2060のテストでは1440p解像度の数値がない
ゲームの描画パフォーマンスを向上する設定を一括で行える「HYPR-RX(ハイパーアールエックス)」では、デバイスドライバーの更新によってフレーム補間技術「Fluid Motion Frames(FMF)」の自動設定が行われるようになるグラフィックスメモリの増量はGPUを使ったAIモデルの処理(演算)にも効果てきめんで、より大きなメモリを使うAIモデルを実行できるようになるという。また、動画編集アプリでも、より解像度の高い映像が編集可能となる。
デバイスドライバー/ユーティリティーアプリ「AMD Software: Adrenaline Edition」のアップデートでは、ゲームの描画パフォーマンスを向上する設定を一括で行える「HYPR-RX(ハイパーアールエックス)」において、フレーム補間技術「Fluid Motion Frames(FMF)」の自動設定が組み込まれるようになる。動画配信時の画質最適化も行われる他、配信映像のアップスケーリング機能も追加される。
AMDは、Ryzen CPU/APUとRadeon GPUを搭載するPCに対して認証を付与する「AMD Advantage」プログラムを実施している。
デスクトップ向けRyzen 8000シリーズのリリースに合わせて、同社は上位となる認証「AMD Advantage Premium」を開始する。AMD Advantage Premiumは、ユーザーからのフィードバックを踏まえつつ、200を超える設計ポイントを満たしたノートPCやデスクトップPCに与えられるという。
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