AMDは1月8日(米国太平洋時間)、デスクトップ向けの新型APU「Ryzen 8000Gシリーズ」と、2020年に初登場したデスクトップ向けCPU/APU「Ryzen 5000シリーズ」の新製品を発表した。いずれも米国では1月31日にパッケージ版が発売される予定だ。
Ryzen 8000Gシリーズは、2022年9月に初登場したデスクトップ向け「Ryzen 7000シリーズ」の改良版で、CPUソケットもLGAタイプの「Socket AM5」で変わりない。TDP(熱設計電力)は全モデルで65Wとなっている。
改良ポイントの1つが内蔵GPUの強化だ。従来のRyzen 7000シリーズではRDNA 2アーキテクチャの「Radeon Graphics」(2コア)を搭載していたが、Ryzen 8000Gシリーズはモバイル向けのRyzen 7040シリーズやRyzen 8040シリーズと同じRDNA 3アーキテクチャベースの「Radeon 700Mシリーズ」(4〜12コア)に変更されている。
これにより、タイトルや設定にもよるが、外部GPUなしでHD(1280×720ピクセル)/フルHD(1920×1080ピクセル)解像度でゲームを楽しめるようになった。もちろん、グラフィックスカードを増設してさらなるパワーアップを図ることも可能だ。
Radeon 780M(8コア)を搭載する「Ryzen 7 8700G」であれば、画質設定を低くすればフルHDで平均60fpsを実現できるゲームタイトルも多いという(League of Legendsのみ標準画質)
これは上のテストを行ったPCに「Radeon RX 7900 XTX」を増設し、フルHD/高画質設定で平均フレームレートを計測した結果。「内蔵GPUが物足りなくなったらグラフィックスカードを増設する」という選択肢として提示している
ライバルの「Core i7-14700K」と比較すると“グラフィックスカードなし”でゲームを楽しむ際に優位であることを示したグラフ(Core i7-14700Kを「1」とした場合のフレームレートの比較)
こちらは「Core i5-13400F」に「GeForce GTX 1650」を組み合わせたPCを「1」とした場合のフレームレートの倍率を示したもの。「下手にグラフィックスカードを搭載した安価なシステムよりも、さらに安価で快適にできますよ」と言いたいらしい
内蔵GPUの性能が高いので、生産性もより高まるという。ただし、競合はミドルレンジCPUにエントリーGPUの組み合わせ、AMDはRyzen 8000シリーズの最上位モデル単体で比較していることには注意したいもう1つの改良ポイントはXDNAアーキテクチャのNPU(推論プロセッサ)「Ryzen AI」を統合したことだ。Windows 11の「Windows Studio Effecs」など、NPUを利活用できる機能やアプリでは処理パフォーマンスが向上する。
ただし、モバイル向けAPUと同様にRyzen AIは上位モデルにのみ搭載されている。エントリークラス/ミドルレンジ製品には搭載されていないので注意しよう。
Ryzen 8000Gシリーズのラインアップは以下の通りとなる。
次のページでは、Ryzen 5000シリーズの新モデルを紹介する。
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