AMDがRDNA 3ベースのGPUと「Ryzen AI」(一部)搭載のデスクトップ向けAPU「Ryzen 8000G」を投入 「Ryzen 5000」にも追加モデルありCES 2024(1/2 ページ)

» 2024年01月09日 00時30分 公開
[井上翔ITmedia]

 AMDは1月8日(米国太平洋時間)、デスクトップ向けの新型APU「Ryzen 8000Gシリーズ」と、2020年に初登場したデスクトップ向けCPU/APU「Ryzen 5000シリーズ」の新製品を発表した。いずれも米国では1月31日にパッケージ版が発売される予定だ。

Ryzen 8000Gシリーズ Ryzen 8000Gシリーズは「世界中で一番高速なPCプロセッサグラフィックス」を備えるとしている
Ryzen 5000シリーズ 2020年に初登場したRyzen 5000シリーズにも新モデルが新たに登場する

内蔵GPUを強化した「Ryzen 8000Gシリーズ」

 Ryzen 8000Gシリーズは、2022年9月に初登場したデスクトップ向け「Ryzen 7000シリーズ」の改良版で、CPUソケットもLGAタイプの「Socket AM5」で変わりない。TDP(熱設計電力)は全モデルで65Wとなっている。

 改良ポイントの1つが内蔵GPUの強化だ。従来のRyzen 7000シリーズではRDNA 2アーキテクチャの「Radeon Graphics」(2コア)を搭載していたが、Ryzen 8000Gシリーズはモバイル向けのRyzen 7040シリーズRyzen 8040シリーズと同じRDNA 3アーキテクチャベースの「Radeon 700Mシリーズ」(4〜12コア)に変更されている。

 これにより、タイトルや設定にもよるが、外部GPUなしでHD(1280×720ピクセル)/フルHD(1920×1080ピクセル)解像度でゲームを楽しめるようになった。もちろん、グラフィックスカードを増設してさらなるパワーアップを図ることも可能だ。

フルHD低画質設定 Radeon 780M(8コア)を搭載する「Ryzen 7 8700G」であれば、画質設定を低くすればフルHDで平均60fpsを実現できるゲームタイトルも多いという(League of Legendsのみ標準画質)
外部グラボ これは上のテストを行ったPCに「Radeon RX 7900 XTX」を増設し、フルHD/高画質設定で平均フレームレートを計測した結果。「内蔵GPUが物足りなくなったらグラフィックスカードを増設する」という選択肢として提示している
ライバル比較 ライバルの「Core i7-14700K」と比較すると“グラフィックスカードなし”でゲームを楽しむ際に優位であることを示したグラフ(Core i7-14700Kを「1」とした場合のフレームレートの比較)
グラボ増やすよりいいでしょ こちらは「Core i5-13400F」に「GeForce GTX 1650」を組み合わせたPCを「1」とした場合のフレームレートの倍率を示したもの。「下手にグラフィックスカードを搭載した安価なシステムよりも、さらに安価で快適にできますよ」と言いたいらしい
生産性 内蔵GPUの性能が高いので、生産性もより高まるという。ただし、競合はミドルレンジCPUにエントリーGPUの組み合わせ、AMDはRyzen 8000シリーズの最上位モデル単体で比較していることには注意したい

 もう1つの改良ポイントはXDNAアーキテクチャのNPU(推論プロセッサ)「Ryzen AI」を統合したことだ。Windows 11の「Windows Studio Effecs」など、NPUを利活用できる機能やアプリでは処理パフォーマンスが向上する。

 ただし、モバイル向けAPUと同様にRyzen AIは上位モデルにのみ搭載されている。エントリークラス/ミドルレンジ製品には搭載されていないので注意しよう。

Ryzen AI Ryzen 8000Gシリーズの上位モデルには、Ryzen AIが搭載されている。CPUやGPUと合わせた総合演算能力は39TFLOPSとされている
Ryzen AI Ryzen AIを利活用できる機能やアプリは100を超えているという

ラインアップ

 Ryzen 8000Gシリーズのラインアップは以下の通りとなる。

  • Ryzen 3 8300G(メーカー製PC向け:2024年3月までに発売)
    • CPUコア:4基8スレッド(最大4.9GHz)
    • GPUコア:Radeon 740M(4コア)
    • L2/L3キャッシュ:合計12MB
    • Ryzen AI:なし
  • Ryzen 5 8500G
    • CPUコア:6基12スレッド(最大5GHz)
    • GPUコア:Radeon 740M(4コア)
    • L2/L3キャッシュ:合計22MB
    • Ryzen AI:なし
    • 想定販売価格:179ドル(約2万5800円)
  • Ryzen 5 8600G
    • CPUコア:6基12スレッド(最大5GHz)
    • GPUコア:Radeon 760M(8コア)
    • L2/L3キャッシュ:合計22MB
    • Ryzen AI:あり
    • 想定販売価格:229ドル(約3万3000円)
  • Ryzen 7 8700G
    • CPUコア:8基16スレッド(最大5.1GHz)
    • GPUコア:Radeon 780M(12コア)
    • L2/L3キャッシュ:合計24MB
    • Ryzen AI:あり
    • 想定販売価格:329ドル(約4万7400円)
ラインアップ Ryzen 8000Gシリーズのラインアップ

 次のページでは、Ryzen 5000シリーズの新モデルを紹介する。

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