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AI処理パフォーマンスを大きく改善 4nmプロセスのモバイルAPU「Ryzen 7040シリーズ」登場 搭載製品は3月以降に登場CES 2023

» 2023年01月05日 14時30分 公開
[井上翔ITmedia]

 AMDは1月4日(米国太平洋時間)、モバイル(ノートPC)向けの新型APU(GPU統合型CPU)「Ryzen 7040シリーズ」を発表した。搭載製品は3月から順次出荷される予定だ。

 なお、今回登場した新製品は、全て新しいプロセッサ命名ルールに基づいてモデル名が割り振られている。

発表 AMDが新型CPU「Ryzen 7040シリーズ」を発表
リサ・スーCEO Ryzen 7040シリーズを手にするリサ・スーCEO

Ryzen 7040シリーズの概要

 今回の新製品において“目玉”となるRyzen 7040シリーズは、AMDのモバイル向けCPUとしては初めて「Zen 4アーキテクチャ」のCPUコアを採用している。デスクトップ向けの「Ryzen 7000シリーズ」とは異なり、プロセスが5nmから4nmへと微細化されていることも特徴だ。定格のTDP(熱設計電力)は15〜45Wに設定されている。

 CPUコアは最大8コア16スレッド構成で、最大5.2GHz稼働するモデルが用意される。GPUコアはRadeon RX 7000シリーズと同じく「RDNA 3アーキテクチャ」に基づくもので、「Radeon 700Mシリーズ」と名付けられている。

 加えて、Ryzen 7040シリーズは独立したAIアクセラレーター「Ryzen AI」を4ストリーム搭載する。x86アーキテクチャのCPUとしては初めて、AIアクセラレーターを統合(内蔵)したことになる。

 メインメモリはDDR5規格、LPDDR5/LPDDR5X規格をサポートしている。

概要 Ryzen 7040シリーズの概要。AMDは「世界で最も高速な超薄型(PC向けの)CPU」をうたっている
競合との差 Ryzen 7040シリーズの最上位モデル「Ryzen 9 7940HS」は、Intelの第12世代「Core i7-1280P」やApple Siliconよりも高い性能を誇ることをアピールしている。ただし、Apple Siliconの比較対象はテストによって「M1 Proチップ」だったり「M2チップ」だったりすることに注意
描画 CPUを使った3Dレンダリングもかなり高速に進むことを紹介した

 搭載するバッテリーの容量などにもよるが、Ryzen 7040シリーズを搭載するノートPCは30時間を超えるバッテリー駆動時間を実現していることも特徴だ。

ラインアップ

 Ryzen 7040シリーズは、薄型かつハイエンドなノートPCを想定した「HSプロセッサ」から展開される。TDPは35〜54Wの範囲内でメーカーが設定可能だ。

  • Ryzen 5 7640HS
    • CPUコア:6コア12スレッド(4.3GHz〜5GHz)
    • GPUコア:Radeon 760M(8コア)
  • Ryzen 7 7840HS
    • CPUコア:8コア16スレッド(3.8GHz〜5.1GHz)
    • GPUコア:Radeon 780M(12コア)
  • Ryzen 9 7940HS
    • CPUコア:8コア16スレッド(4GHz〜5.2GHz)
    • GPUコア:Radeon 780M(12コア)

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