ここからはRadeon RX 7600 XTの実力をベンチマークテストを通してチェックしていこう。
今回のテストでは、機材調達の都合で「Core i7-12700F」(Pコア8基16スレッド+Eコア4基4スレッド)を搭載する自作PCでテストを行った。グラフィックスドライバーはテスト版の「Adrenalin Edition 23.40.01.15」を利用している。
参考として、今回はこのPCで実施した「Radeon RX 7600」と「Radeon RX 7700 XT」のスコアと、競合製品で同クラスの「GeForce RTX 4060」「GeForce RTX 4060 Ti(グラフィックスメモリは8GB)」のスコアも掲載する。いずれも発売前のテストドライバーを使った際の結果なので、あくまでも参考値として捉えてもらえると幸いだ。
テスト環境の主なスペック
「GPU-Z」でAMD Radeon RX 7600 XT Steel Legend 16GB OCの情報をチェックした
まず、3Dグラフィックスのパフォーマンスをチェックする「3DMark」の結果を見てみよう。今回はDirectX 11ベースの「Fire Strikeシリーズ」、DirectX 12ベースの「Time Spyシリーズ」を全ての解像度でテストした上で、DirectX 12ベースのリアルタイムレイトレーシングテスト「Port Royal」も実施した。総合スコアは以下の通りだ。
- Fire Strike(DirectX 11/フルHD)
- Radeon RX 7600 XT:2万7149ポイント
- Radeon RX 7700 XT:3万1887ポイント
- Radeon RX 7600:2万6637ポイント
- GeForce RTX 4060 Ti(8GB):2万7489ポイント
- GeForce RTX 4060:2万5309ポイント
- Fire Strike Extreme(DirectX 11/WQHD)
- Radeon RX 7600 XT:1万4392ポイント
- Radeon RX 7700 XT:1万9816ポイント
- Radeon RX 7600:1万4234ポイント
- GeForce RTX 4060 Ti(8GB):1万5612ポイント
- GeForce RTX 4060:1万2696ポイント
- Fire Strike Ultra(DirectX 11/4K)
- Radeon RX 7600 XT:7463ポイント
- Radeon RX 7700 XT:1万511ポイント
- Radeon RX 7600:7365ポイント
- GeForce RTX 4060 Ti(8GB):7623ポイント
- GeForce RTX 4060:6014ポイント
- Time Spy(DirectX 12/WQHD)
- Radeon RX 7600 XT:1万1723ポイント
- Radeon RX 7700 XT:1万6754ポイント
- Radeon RX 7600:1万1391ポイント
- GeForce RTX 4060 Ti(8GB):1万3815ポイント
- GeForce RTX 4060:1万1155ポイント
- Time Spy Extreme(DirectX 12/4K)
- Radeon RX 7600 XT:5525ポイント
- Radeon RX 7700 XT:7702ポイント
- Radeon RX 7600:5354ポイント
- GeForce RTX 4060 Ti(8GB):6370ポイント
- GeForce RTX 4060:5223ポイント
- Port Royal
- Radeon RX 7600 XT:5846ポイント
- Radeon RX 7700 XT:8998ポイント
- Radeon RX 7600:5452ポイント
- GeForce RTX 4060 Ti(8GB):8082ポイント
- GeForce RTX 4060:6005ポイント
Radeon RX 7600 XTのスコアだが、全部のテストで着実にRadeon RX 7600を上回る結果を残すことができた。
その上で他のGPUとも比較すると、上位モデルであるRadeon RX 7700 XTには届かない。グラフィックスメモリ自体はRX 7600 XTの方が6GB多いのだが、演算性能の高さの方が優位に働いたようだ。
また、GeForce RTX 4060ファミリーの上位モデルであるGeForce RTX 4060 Ti(8GB)に対しても、ターゲット解像度であるフルHD/WQHDにおいては近しい性能を発揮できている。ただし、リアルタイムレイトレーシングが苦手な傾向は変わりなく、この点は及ばない。
3DMarkの結果
続いて、実際のゲームタイトルをベースとするベンチマークテストアプリを使ってパフォーマンスをチェックしてみよう。
まず、少し軽めの「ファイナルファンタジーXIV : 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を最高画質のプリセットでフルHD/WQHD/4Kの3つの解像度でスコアを測った。結果は以下の通りだ。
- フルHD(1920×1080ピクセル)
- Radeon RX 7600 XT:2万3125ポイント
- Radeon RX 7700 XT:2万6125ポイント
- Radeon RX 7600:2万2999ポイント
- GeForce RTX 4060 Ti(8GB):2万5728ポイント
- GeForce RTX 4060:2万3769ポイント
- WQHD(2560×1440ピクセル)
- Radeon RX 7600 XT:1万5522ポイント
- Radeon RX 7700 XT:2万1011ポイント
- Radeon RX 7600:1万5391ポイント
- GeForce RTX 4060 Ti(8GB):1万9792ポイント
- GeForce RTX 4060:1万7125ポイント
- 4K(3840×2160ピクセル)
- Radeon RX 7600 XT:6870ポイント
- Radeon RX 7700 XT:9717ポイント
- Radeon RX 7600:6836ポイント
- GeForce RTX 4060 Ti(8GB):9364ポイント
- GeForce RTX 4060:7922ポイント
こちらもRX 7600 XTがRX 7600を上回るスコアを記録した。よくよく見てみると、WQHD以上の解像度は少し苦しいようにも見えるが「フルHDが快適で、WQHDも行ける」という位置付けを考えると妥当ともいえる。
なお、FF14ベンチマークはNVIDIA製GPUに最適化されているため、同社製GPUの方がスコアが高く出やすい。その差は解像度が高くなるほど顕著であることは覚えておきたい。
FF14ベンチマークの結果
続けて、システムへの負荷がやや大きい「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK(FF15ベンチマーク)」の高画質設定も合わせて実行してみよう。解像度はFF14ベンチマークと同じくフルHD/WQHD/4Kの3つで行っている。結果は以下の通りだ。
- フルHD
- Radeon RX 7600 XT:1万49ポイント
- Radeon RX 7700 XT:1万3875ポイント
- Radeon RX 7600:1万168ポイント
- GeForce RTX 4060 Ti(8GB):1万2909ポイント
- GeForce RTX 4060:1万837ポイント
- WQHD
- Radeon RX 7600 XT:7415ポイント
- Radeon RX 7700 XT:1万305ポイント
- Radeon RX 7600:7203ポイント
- GeForce RTX 4060 Ti(8GB):9166ポイント
- GeForce RTX 4060:7600ポイント
- 4K
- Radeon RX 7600 XT:4009ポイント
- Radeon RX 7700 XT:5645ポイント
- Radeon RX 7600:3936ポイント
- GeForce RTX 4060 Ti(8GB):5279ポイント
- GeForce RTX 4060:4373ポイント
FF14ベンチマーク同様に、FF15ベンチマークもNVIDIA製GPUに最適化されている。そのため、GeForce RTX 4060/4060 Ti(8GB)の方がスコア面で有利なことは変わりない。
ただし、4K解像度だけに注目してみると、興味深い気付きもある。数字の上ではRadeon RX 7600 XTはGeForce RTX 4060/4060 Tiに負けてはいるのだが、思った以上にスコア差が小さい。このクラスのGPUには珍しく、16GBと大容量のグラフィックスメモリを搭載していることが奏功したものと思われる。
NVIDIA製GPU(GeForceシリーズ)に最適化されたゲームタイトルでも、その設計次第ではRadeon RX 7600 XTでも十分に楽しめる地力はある。
FF15ベンチマークの結果
最後に、より負荷の重いゲームやクリエイター向けアプリのパフォーマンスもチェックしていこう。
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