NVIDIAは6月29日22時、デスクトップ向けGPU「GeForce RTX 4060」を搭載するグラフィックスカードをパートナー企業を通して発売する。想定販売価格は米国で299ドル(約4万3100円)から、日本で5万2800円(税込み)からとなる。
今回、PC USERでは発売に先駆けて台湾MSI製の「VENTUS 2X BLACK GeForce RTX 4060 8GB」を試す機会を得た。GeForce RTX 40シリーズのエントリーモデルはどのようなGPUなのだろうか。チェックしていこう。
本格的にレビューを実施する前に、GeForce RTX 4060の仕様を簡単にチェックしていこう。
GeForce RTX 4060は、デスクトップ向け「GeForce RTX 40シリーズ」の現時点におけるエントリーモデルである。先に発売されたワンランク上のモデル「GeForce RTX 4060 Ti(8GB)」と同じくフルHD(1080p/1920×1080ピクセル)でのゲーミングに最適化された設計で、具体的な主要スペックは以下の通りとなる。
GeForce RTX 4060 Tiと比べると、CUDAコア/Tensorコア/テクスチャーユニットの数は約3割削減されている。グラフィックスメモリの規格と帯域幅は変わりないが、アクセス速度は微減となっている。一方でTGP(グラフィックスカードの最大消費電力)は115Wと、こちらも3割近く削減されている。NVENC(第8世代)は1基搭載となる。
非常に単純な計算をすると、GeForce RTX 4060はGeForce RTX 4060 Ti(8GB)の7割くらいのゲーミング性能と、ほぼ同じ動画エンコード性能を備えると考えて良さそうである。
GeForce RTX 40シリーズでは、NVIDIAの超解像技術「DLSS(Deep Learning Super Sampling)」の最新バージョンである「DLSS 3」を利用できる。DLSS 3は品質の高さに定評があるので、GeForce RTX 4060でも積極的に活用すればフルHD映像で快適にゲームを楽しめそうだ。
この見立てが正しいのかどうかは、この後のベンチマークテストでチェックしていきたい。
先述の通り、今回のテストはMSI製のVENTUS 2X BLACK GeForce RTX 4060 8GBで実施する。
このグラフィックスカードは2連ファン構成で、厚みは2スロット分となっている。全長は約19cmと20cmを切っているので、小型ケースにも組み込みやすい。
このカードは、GPU補助電源コネクターにも注目したい。従来のGeForce RTX 40シリーズと同様に、NVIDIAでは12VHPWR規格の電源ピンの搭載を推奨しているのだが、本カードは旧来の8ピンGPU補助電源コネクターを1つ備えている。電源が12VHPWR規格の出力に対応していなくても、変換アダプターなしで組み込み可能だ。
映像出力は、上位モデルと同様にHDMI端子×1、DisplayPort端子×3という構成だ。
次のページからは、ベンチマークテストを通してGeForce RTX 4060の実力をチェックしていく。
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