ここからは、GeForce RTX 4060 Ti(8GB)の実力をベンチマークテストを通してチェックしていこう。
今回のテストでは、機材調達の都合で「Core i7-12700F」(Pコア8基16スレッド+Eコア4基4スレッド)を搭載する自作PCでテストを行った。グラフィックスドライバーはテスト版の「バージョン536.20」を利用している。
比較用として、今回は筆者が過去に実施した「GeForce RTX 4060 Ti(8GB)」「Radeon RX 7600」のベンチマークテストの結果も掲載する。
まず、3Dグラフィックスのパフォーマンスをチェックする「3DMark」で幾つかのテストを実行してみる。今回はDirectX 11ベースの「Fire Strikeシリーズ」と、DirectX 12ベースの「Time Spyシリーズ」、リアルタイムレイトレーシング(RT)をテストする「Port Royal」を実行した。総合スコアは以下の通りである。
スコアを見比べると、GeForce RTX 4060はGeForce RTX 4060 Ti(8GB)の74〜92%の性能は確保できている。もっと差が開くかと思っていたので、よい意味で裏切られた格好だ。
特に差が付いたのはRT処理のテストだが、見方を変えるとフルHDゲーミングでRTを使わない(重要でない)なら、GeForce RTX 4060でも十分といえそうである。
続いて、実際のゲームタイトルをベースとするベンチマークテストアプリを使ってパフォーマンスをチェックしてみよう。
まず、少し軽めの「ファイナルファンタジーXIV : 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を最高画質のプリセットでフルHD(1920×1080ピクセル)、WQHD(2560×1440ピクセル)、4K(3840×2160ピクセル)の3つの解像度でスコアを測ってみた。結果は以下の通りだ。
GeForce RTX 4060のスコアは、GeForce RTX 4060 Ti(8GB)の84〜92%程度で、解像度が高くなるほど差が大きくなっている。こちらも、思った以上の健闘だ。4K解像度となると(評価的意味での)息切れは出ているが、ターゲットである「1080pゲーミング」で比較的軽負荷なタイトルなら、GeForce RTX 4060でも十分といえそうだ。
続けて、システムへの負荷がやや高い「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK(FF15ベンチマーク)」の高画質設定も合わせて実行してみよう。解像度はFF14ベンチマークと同じくフルHD、WQHD、4Kの3つで行っている。結果は以下の通りである。
FF14ベンチマークと比べると処理が重たいこともあってか、GeForce RTX 4060のスコアはGeForce RTX 4060 Ti(8GB)の82〜83%となった。フルHD解像度でも一定の差がある。負荷の高いゲームタイトルは、GPU自身の“余力”が重要になることを示唆している。
こうなると、「より負荷の高いゲームタイトルでは、もっと差が付くのでは?」という疑問も沸いてくる。次のページで試してみよう。
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