約10万円で最強の「WQHDゲーミング」を! 「GeForce RTX 4070」発売直前レビュー(1/3 ページ)

» 2023年04月12日 22時00分 公開
[迎悟ITmedia]

 NVIDIAは4月12日(米国太平洋時間)、デスクトップPC向けの新型GPU「GeForce RTX 4070」を発表した。日本では4月13日から順次、同GPUを搭載するグラフィックスカードの販売が始まる予定で、税込みの想定販売価格は9万9800円からとなる。

 発売直前とはなるが、同社純正のグラフィックスカード「GeForce RTX 4070 Founders Edition」(日本未発売)を使って、このGPUの“実力”をベンチマークテストを通してチェックしていく。

パッケージ GeForce RTX 4070 Founders Editionのパッケージは、先にレビューした「GeForce RTX 4090 Fouders Edition」や「GeForce RTX 4080 Founders Edition」と同様、少し変わった形状をしている
パッケージ アプリで加工せずとも“映える”中身も同様である

1440p(WQHD)でのゲーミングに最適化されたパッケージ

 GeForce RTX 4070は、現時点におけるGeForce RTX 40シリーズのエントリー製品という位置付けとなる。それ以下のラインについては旧世代(Amprereアーキテクチャ)の「GeForce RTX 3060 Ti」「GeForce RTX 3060」「GeForce RTX 3050」を搭載するグラフィックスカードを継続販売してニーズに対応する。

ラインアップ 新しいGeForce RTXファミリーのラインアップ。ちなみに、GeForce RTX 4070搭載グラフィックスカードの米国における想定販売価格は599ドル(約8万円)からとなる

 さて、新登場するGeForce RTX 4070は、1440p(WQHD/2560×1440ピクセル)のゲーミング体験を飛躍的に向上するGPUという位置付けだ。先行して登場した上位製品は4K(2160p/3840×2160ピクセル)ゲーミングを意識しているのと比べると、ターゲット解像度を1段下げたような格好である。

 「4Kまでは求めないけれど、WQHDでサクサクかつキレイな映像でゲームを楽しみたい」という人にピッタリな製品といえるだろう。

紹介 GeForce RTX 4070はリアルタイムレイトレーシング(RT)と超解像技術「DLSS 3」を使ってWQHD解像度で平均100fps超のゲーミングを楽しめるように設計されているという

 GeForce RTX 4070(Founders Edition)の主な仕様は、以下の通りとなる。

  • GPUアーキテクチャ:Ada Lovelace(チップ名:AD104)
  • CUDAコア:5888基
  • 稼働クロック:1.92GHz〜2.475GHz
  • グラフィックスメモリ:12GB(GDDR6X/192bit)
  • 映像出力端子:HDMI×1+DisplayPort×3
  • 消費電力:200W(GPU補助電源:8ピン×2相当)

 ターゲットをWQHDとしていることもあって、CUDAコアの基数や動作クロックは上位モデルよりも控え目である。消費電力もTGP(≒最大電力)ベースで200Wと、GeForce RTX 40シリーズとしては最も低くなっている。

主な仕様 GeForce RTX 4070と、先代製品(GeForce RTX 3070 Ti/3070)との仕様比較。消費電力はTGPベースで200Wと、従来よりも低く抑えられている
フレームレート 「A Plague Tale: Requiem」(Asobo Studio/Focus Entertainment)でフレームレートを比較すると、「GeForce RTX 3070 Ti」では消費電力277Wで平均59fpsだったものが、GeForce RTX 4070では消費電力186Wで平均109fpsとなっている。消費電力当たりの処理パフォーマンスの向上も魅力といえる
3世代比較 2世代前の「GeForce RTX 2070 SUPER」も引っ張り出して、主要なゲームタイトルにおけるWQHD解像度での平均フレームレートを計測した結果。いずれも最高画質設定でRTとDLSSを有効としているが、GeForce RTX 4070は多くのタイトルで「1440pで平均100fps超」を実現している

グラフィックスカードは「2スロット厚」に

 今回レビューで利用するGeForce RTX 4070 Founders Editionは、先にレビューしたGeForce RTX 4080/4090のFounders Editionと同一のデザインを採用している。しかし、1つ決定的に違うポイントがカードの厚みである。

 GeForce RTX 4080/4090 Founders Editionは、カードの厚みが3スロット分ある。これはパートナー企業のグラフィックスカードも同様で、組み込めるケースに大きな制約が生じてしまう。

 それに対して、GeForce RTX 4070 Founders Editionは、カードの厚みが2スロット分と薄くなっている。そのため、microATXやmini-ITXなど、比較的スペースの余裕がないケースでも収められる。

カード GeForce RTX 4070 Founders Editionのデザインは、先行する上位製品と変わらないが、全体的にコンパクトになっている
真横から 横から見ると、“本当に”2スロット厚であることがよく分かる。「本当にコンパクトになったなぁ」という印象だ
ブラケット側 映像出力端子はHDMI×1とDisplayPort×3という構成となっている。しかし、GeForce RTX 4080/4090 Founders Editionを見慣れていると、本当に薄くコンパクトであると感じてしまう

補助電源ピンは引き続き「12VHPWR」 変換アダプターは「8ピン×2」に

 デスクトップPC向けのGeForce RTX 40シリーズを搭載するグラフィックスカードでは、原則としてGPU補助電源端子として12VHPWR規格のピンを搭載している。GeForce RTX 4070 Founders Editionもご多分に漏れず、GPU補助電源端子は12VHPWR規格となっている。

 旧規格の補助電源ピンに変換するアダプターが付属していることも同様で、本モデルは「8ピン×2」のものが用意されている。消費電力が低めなので、2ピン分で十分ということである。

電源ピン 補助電源端子は、シリーズの上位モデルと同様に12VHPWR規格となっている
変換アダプター 補助電源ピンの変換アダプターは「8ピン×2」という構成となった
装着した様子 補助電源ピンの変換アダプターをカードに装着した様子
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