NVIDIAは12月2日23時(日本時間)に、新型GPU「GeForce RTX 3060 Ti」を発売する。同GPUを搭載するグラフィックスカードの米国での想定販売価格は399ドル(約4万1600円)からと、12月1日現在において「GeForce RTX 30」シリーズの中では一番手頃な製品だ。
このGeForce RTX 3060 Tiは、価格帯的にはミドルハイクラスのGPUである。しかし、前世代のハイエンドGPU「GeForce RTX 2080 SUPER」を上回るほどの性能を発揮するなど、これまでのRTX 30シリーズに負けず劣らずパワフルな仕上がりとなっているという。
この記事では、リファレンスカード(NADIAが自ら設計したグラフィックスカード)である「GeForce RTX 3060 Ti Founders Edition」(日本未発売)を通して、その実力をチェックしていく。
GeForce RTX 3060 Tiは、これまでのRTX 30シリーズ製品と同じくNVIDIAの最新GPUアーキテクチャ「Ampere(アンペア)」に基づいたGPUで、Samsung Electronics(サムスン電子)の8nmプロセスで製造されている。
1つ上位のモデルに位置付けられる「GeForce RTX 3070」と同様に、GPUコアは「GA104」で、グラフィックスメモリは「GDDR6」規格となっている。主な仕様は以下の通りだ。
RTX 3070と同じGPUコアを採用するものの、当然ながらCUDAコア数は削減されている。その数は4864基と、総数にして1000基近くの差が付いている。とはいえ、GeForce RTX 2060 SUPERと比較すればほぼ2倍である。「CUDAコア数が多めである」というAmpere世代GPUの特徴は踏襲している。
GPUの動作クロックもRTX 3070から若干低くはなっているが、グラフィックスメモリ回りのスペックは変わらない。カードの消費電力は200Wで、RTX 3070よりも20W低い。末尾に「Ti」が付くモデルということもあり、素性は多くの点で“RTX 3070寄り”だ。ちなみに、NVIDIAはRTX 3060 Tiのパフォーマンスについて「GeForce RTX 2080 SUPERを上回り、RTX 2060 SUPERよりも平均40%以上高速である」としている。
RTX 30シリーズの既存製品は、フルHD(1920×1080ピクセル)やWQHD(2560×1440ピクセル)といった解像度のゲーミング用途であれば、十分すぎるほどの性能を確保している。ゆえに「RTX 3070以上のハイエンド製品は不要だ」という人も少なくないはずだ。499ドル(約5万2000円)だったRTX 3070よりもさらに100ドル手頃な本製品は、多くのコスパ重視のゲーマーにとって有力な選択肢となりうる。
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