「GeForce RTX 3050」搭載グラボは1月27日23時に発売 約4年半前のゲーミングPCに載せるとどうなる?(1/4 ページ)

» 2022年01月27日 00時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 NVIDIAは1月26日、デスクトップPC向けGPU「GeForce RTX 3050」を搭載するグラフィックスカードの販売を1月27日23時から開始することを発表した。パートナー企業を通して提供されるグラフィックスカードの実売価格は、米国では249ドル(約2万8300円)から、日本では税込みで4万円台弱からとなる見込みだ。

 GeForce RTX 3050は、Ampererアーキテクチャを採用する「GeForce RTX 30シリーズ」の新たなエントリーモデルとなる。同社としては、今でもゲーミングにおいて高いシェアを持つとされる「GeForce GTX 1060」や「GeForce GTX 1650」からのアップグレードパスとして用意したという。

 新型GPU(グラフィックスカード)のレビューというと、最新のPCを使って行うものが多い。しかし、「今使っているPCのグラフィックスカードから取り換えるとどうなるのか知りたい」という人もいるはずだ。そこで今回は、約4年半前(2017年8月)に発売されたメーカー製のゲーミングデスクトップPCに、GIGABYTE製グラフィックスカード「GeForce RTX 3050 EAGLE OC 8G」を搭載して、ベンチマークテストを通してGeForce RTX 3050のパフォーマンスをチェックしていく。

 「グラフィックスカードの交換で古いゲーミングデスクトップPCをパワーアップする」のはアリなのかナシなのか、その辺りをじっくりとチェックしてみよう。

GeForce RTX 3050 EAGLE OC 8G 今回のレビューでは、GIGABYTE製の「GeForce RTX 3050 EAGLE OC 8G」を利用する
外観 GeForce RTX 3050 EAGLE OC 8Gは、直径90mmの2連冷却ファンを備える。2スロットを専有するが、奥行きは約213mmなので比較的小ぶりなケースでも扱いやすい
補助電源 カードのGPU補助電源ピンは「8ピン×1」構成である。これが後ほど小さな問題を引き起こす

そもそも「GeForce RTX 3050」ってどんなGPU?

 昨今、ゲームタイトルが要求するGPUのスペックは高まる傾向にある。2016〜2017年に発売されたメインストリームのグラフィックスカードをリプレースすべく、NVIDIAはもちろん、競合であるAMDも新しいアーキテクチャを用いたエントリークラスのGPUを投入している。

 NVIDIAが新たに投入するGeForce RTX 3050は、その名の通り「GeForce RTX 30シリーズ」に属する。Ampere(アンペア)アーキテクチャを採用するデスクトップPC向けGPUとしてはエントリークラスだが、RTXを名乗るだけあってRT(リアルタイムレイトレーシング)処理にも対応している。具体的なスペックは以下の通りだ。

  • 製造プロセス:8nm
  • CUDAコア:2560基
  • Tensorコア:80基(第3世代)
  • RTコア:20基(第2世代)
  • ストリーミングマルチプロセッサ:20基
  • 稼働クロック:1552MHz(ベース)〜1777MHz(ブースト)
  • グラフィックスメモリ:8GB(GDDR6)
  • メモリバス幅:128bit
  • メモリ帯域幅:毎秒224GB
  • 接続インタフェース:PCI Express 4.0/3.0 x16
  • 消費電力:130W(電源は550Wを推奨)

 GPUダイ自体は、直接の上位モデルとなる「GeForce RTX 3060」と同じ「GA106」だが、CUDAコアやグラフィックスメモリなどは削減されている。メモリのバス幅も、192bitから128bitと狭くなっている。

比較 GeForce RTX 30シリーズのエントリークラスと、GeForce GTX 1650、GeForce GTX 1060の比較。GeForce RTX 3060と比べると、GeForce RTX 3050はCUDAコアやグラフィックスメモリの容量が削減され、メモリのバス幅も狭くなっている。ただし、ブーストクロックは同一である
GPU-Z GPU-Zで取得したGeForce RTX 3050 EAGLE OC 8Gの情報。GPUダイはGA106で、LHR(ローハッシュレート)品であることが分かる

 「今までよりもさらにスペックは低いけれど大丈夫?」という疑問が沸いてくる所だが、NVIDIAが自社で行ったベンチマークテストでは、主要なゲームではGeForce GTX 1050(Ti)やGeForce GTX 1650よりも平均フレームレートが向上している。同社は「RTXへのステップアップにちょうど良い」という。

 ただし、NVIDIAのテストでは、PCI Express 4.0に対応する比較的新しいPCを使っている。PCI Express 3.0に対応する少し古いPCのグラフィックスカードのリプレースにGeForce RTX 3050を使うと、果たしてどうなるのだろうか……?

フレームレート NVIDIAが想定している置き換え対象GPUと1080p(フルHD、1920×1080ピクセル)における平均フレームレートを比べると、GeForce RTX 3050は有意に改善しており、比較的新しいゲームでも60fpsを達成できるという
RTX+DLSS 置き換え対象GPUでは利用できないRTやDLSSを利用できることも、GeForce RTX 3050の魅力。DLSSを有効化すれば、RTを利用する場合でも平均フレームレートが60fps以上になるようだ
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