AMDの新型GPU「Radeon RX 6500 XT」を搭載するグラフィックスカードが、1月19日21日11時から順次販売されることが分かった。米国における想定販売価格は199ドル(約2万3100円)からとなるが、日本における想定販売価格は3万円台前半〜半ばとなる見込みだ。
発売に先駆けて、AMDはRadeon RX 6500 XTと「Radeon RX 6400」(※1)の詳細を解説するイベントを開催した。この記事では、その模様をお伝えする。
(※1)一般向け販売なし(PCメーカーにのみ出荷される)
Radeon RX 6500 XTとRadeon RX 6400は、既存の「Radeon RX 6000シリーズ」と同様に「RDNA 2アーキテクチャ」をベースに開発されている。ただし、従来モデルとは異なりプロセスルール(半導体ウエハーの最小加工寸法)が7nmから6nmに微細化された。AMDは「世界で初めての6nmの独立GPU」であるとしている。
RX 6500 XTのダイ面積は170平方ミリメートル、トランジスタは540億個となっている。同GPUのゲームクロック(ゲームプレイ時の想定稼働周波数)は2610MHzと、シリーズのどのGPUと比べても高い設定だ。
Radeon RX 6500 XTとRadeon RX 6400の主な仕様(リファレンスデザイン)は以下の通りとなる。
米Valveが運営するゲーミングプラットフォーム「Steam」が定期的に実施している「ハードウェア&ソフトウェア調査」によると、2021年9月時点においてSteamユーザーの約47%が「Radeon RX 570」またはNVIDIAの「GeForce GTX 1650」か、それ以下のパフォーマンスのGPUを利用しているという。一方で、特にAAAタイトル(※2)を中心に、新しいゲームはより新しいGPUを要求するようになってきた。
(※2)開発予算の大きなゲームタイトル全体を指す俗称
「だったら、より新しいGPU(グラフィックスカード)を買えばいい」と思うかもしれない。しかし、最新アーキテクチャのGPUのスペックをよくよく見てみると、「ゲームのプレイはフルHD(1920×1080ピクセル)で十分」「過剰すぎるフレームレートもいらない」といったハイエンドグラフィックスまで求めない人への選択肢が非常に乏しいことも事実である。
現に、AMDにはこんなコメントが寄せられているという。端的にいえば最新アーキテクチャを使ったローエンドGPUがないことへの不満や嘆きである。
GTX 1650からのアップグレードだって? 誰か500ドル(約5万7000円)未満でGTX 1650からのアップグレードができるかどうか知ってる人いる?
僕のRX 570からアップグレードできればといいのになぁ。
ローエンドなグラフィックスカードってどこで買えるんですか?
より新しいゲームだと少し弱いので、僕のGTX 1650をアップグレードしようと考えています。
CPUは十分、でもGTX 1650だと少し(ゲームするには)弱いんだよね。
(CPUの)内蔵GPUからアップグレードできればいいのになぁ。
GeForce GTX 1650やRadeon RX 570から乗り換えたいけれど選択肢がない――このような「声」に応えるべくRadeon RX 6500 XTを投入することにしたようだ。
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