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“AI時代のThinkPad”をレノボ・塚本氏に聞く 新設計のフラグシップからコンセプトモデルまで:CES 2026(1/3 ページ)

» 2026年01月09日 12時15分 公開

 CES 2026のタイミングに合わせて、Lenovoは複数の新PCを発表した。子会社のMotorola Mobilityのスマートフォンを合わせると、その数は多岐にわたる。

 新製品で特に注目したいのが、コマーシャル(ビジネス)向けノートPCのフラグシップモデル「ThinkPad X1 Carbon Gen 14 Aura Edition」「ThinkPad X1 2-in-1 Gen 11 Aura Edition」と、PoC(Proof of Concept)目的のコンセプトモデルとして出展された「ThinkPad Rollable XD Concept」だ。

 同社はCES 2026に合わせて、「Lenovo Tech World 2026」というイベントを開催している。その際に、同社のWorldwide Intelligent Device Groupでコマーシャル製品の開発リーダーを務めるレノボ・ジャパンの塚本泰通副社長と話をする機会があった。新製品の特徴や開発における裏話、そしてLenovoがPC開発で目指す将来について、いろいろ聞いてみよう。

塚本さん レノボ・ジャパンの塚本泰通副社長は、Lenovo全体のコマーシャル製品の開発リーダーも務めている

内部構造を一新した「ThinkPad X1シリーズ」

 2025年のThinkPadにおける大きなトピックとして、ThinkPad X1 Carbonと「ThinkPad X13」において最軽量構成で重量が1kgを切ったことが挙げられる。

 塚本氏によれば、ThinkPadのビジネスは成長を続けている一方で、日本市場では「ThinkPadはいいけど重い」という評価があり、軽量化が1つの課題だったという。それが2025年モデルで1kg切りのモデルが登場したことで、重量面も含めて総合的に判断してもらえるようになったためか、非常に好評だったという。

 今回のThinkPad X1シリーズの2026年モデルでは、Intelから発表されたばかりの「Core Ultraプロセッサ(シリーズ3)」(開発コード名:Panther Lake)を搭載しているが、PBP(Processor Base Power)が以前のモデルの20Wから25Wに増加している。わずか5Wの増加ではあるが、これは放熱設計的には結構大きな影響を与える。

 にも関わらず、今回のThinkPad X1 Carbon Gen 14 Aura Editionでは、冷却機構を強化しつつも、最軽量構成で1kgを切るデザインを維持するなど、ハードウェア面で大きな進化を遂げている。

 これを実現したのが、今回のモデルで新たに採用された「スペースフレーム構造」と呼ばれる3D積層デザインだ。塚本氏によると、従来のThinkPadではマザーボードを平面的にしか利用しておらず、部品もほとんどが片面に配置されるだけで空間的な余白があったという。

 それに対し、スペースフレーム構造ではマザーボードの両面にコンポーネントを配置することで、ボディー内部の空間を最適化し、部品配置の自由度を上げたり、個々の部品を大型化したりできるようになったという。

 その効果として、部品配置の最適化によって、従来比で約1.8倍の大型ファンを内蔵できるようになり、冷却性能をより高めることができた。また従来のThinkPadでは「ワンバウンドヒンジ」と呼ばれる、Wi-Fiなどの無線アンテナを集中配置した大型のヒンジを採用していたが、このアンテナをボディー上部のルーバー(Louver:排気口)付近に移動させることでヒンジが小型化された。

 ヒンジの小型化により、結果としてキーボードも従来より上方向へと移動した。これにより空いた下部の空間に、ThinkPadとしては史上最大級の広大なハプティックタッチパッドを搭載できるようになった(※1)。興味ある方はキーボードレイアウトを比較してみると分かるが、この微細な変化は内部機構が大きく変化したことで実現したものだ。

(※1)カスタマイズ(CTO)モデルでは、ハプティックタッチパッドは購入時のCTOオプションとなる

ボディー ThinkPad X1 Carbon Gen 14 Aura Editionのボディーを見ると、ヒンジが従来よりも小型化しているのが分かる(写真はTrackPointクリックボタン付きのタッチパッドを搭載する構成)
底面 底面カバー(Dカバー)を外したところ。ヒンジ部分に“余白”ができ、それを生かして冷却ファンの大型化を実現できた
キーボードを外す キーボード/タッチパッドとパームレストからなるキーボードユニット(Cカバー)を外したところ。スペースフレーム構造では、丈夫さを維持するフレームの両側に部品が配置されていく

 加えて、アンテナの移動においては「グラウンディング(接地)」や「ノイズ対策」も重要になるが、ここでもスペースフレームが活躍している。接地先としての利用のほか、マザーボードから発生するノイズをブロックする役割を果たすなど、さまざまな面でボディー内部の再設計に寄与している。

 コンポーネントの両面配置によりマザーボード自体も従来よりも小型化しており、これもまたファンの大型化やオーディオ面での強化などに貢献している。

アンテナ部 ヒンジ部分から移動してきたアンテナ。フレーム構造が、マザーボードからのノイズをうまくブロックしているという
従来のマザーボード 従来のThinkPadのマザーボードは、裏面にほぼ部品を配置していなかったが……
新マザーボード 新しいThinkPad X1シリーズのマザーボードは、両面に部品を配置するようになった。これにより、マザーボード自体のサイズを大きく削減している
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